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ワイガヤと腹落ち【ヒラ社員の働き方改革その2】

おはようございます!健康で幸せにはたらく人を増やしたい、現役サラリーマン【はたらくオクノ】です。

何の権力もないヒラ社員が、周りの方に助けていただきながら、1,500人規模の企業の働き方を変えた軌跡を書き綴る記事の第2弾です。(その1はこちら

毎日終電帰宅は当たり前、半年間晩ごはんは毎日セブンのおでんとポテトチップス。(これは個人的趣味、、😅💦)お肌もボロボロだった改革前の働き方。

現在では、毎日タフに働きながらも、自炊と趣味のダンスに勤しみ、毎日noteに挑戦する時間も確保でき、明るい未来を前向きに描ける状態に変化しています!

本日は、何か新しいことを始めたいんだけど目指すものがよくわからない時に、ワイガヤって有効ですよ、って話を書いてみたいと思います。

(1)ワイガヤとは何か

ワイガヤとは、社内において、年代や所属が異なるメンバーで、あるテーマに対してワイワイガヤガヤと話し合うことを指します。打ち合わせや雑談、グループディスカッション(議論)と比較すると、わかりやすいかもしれません。

【打ち合わせ】

会議で何かを決定する準備として、仕事の進め方・スケジュール・成果物などについて前もって相談すること。

→ワイガヤは報告・連絡・相談のどれにも当たらず、あるテーマについて自身の意見を出し合うことを指しますので、「ワイガヤやろう!」と意思を持って企画しないと発生しないコミュニケーションと言えますね。

【雑談】

さまざまな内容のことを気楽に話すこと、とりとめのない話をすることを指します。なんかちょっと話したいなあと思った時に、井戸端会議のようにちょっとしたスペースに集まって、特にテーマを定めず喋ることそのものを楽しむ感じですね。

気楽に話すという点では、ワイガヤと共通していますね。ワイガヤは、日程を定め、メンバーを選定し、テーマ設定して、それぞれの意見を出し合うことそのものが重要な場です。雑談よりはカチッとしているけれど、基本スタンスは似ている、という感じですね。

【グループディスカッション(議論)】

あるテーマについて、参加者たちが自由に意見や情報を出し合いながら、より良い結論を出すこと。グループとしての意見をまとめること。

→ワイガヤに最も近い概念です。違いは、集められた参加者の意識、ではないかと思います。グループディスカッションは、結論を導き出すための会合で、採用面接や人事評価などで、議論のプロセスが評価対象になったりしますね。結論出さなきゃ!となるわけです。

一方、ワイガヤは、結論が出しにくいテーマについて、それぞれの意見を出すことそのものが目的の会合なので、そのプロセスは「一人一人の意見がアウトプットされたか」が重要。

つまり、ワイガヤとは、あるテーマについて、気楽に、意見を出し合うことそのものを尊重する場・機会を意識してつくること、またはその場・機会そのもの、とまとめることができます。

(2)「働き方」をテーマにワイガヤする目的

そんなワイガヤで何をしたかったかというと、まずは「働き方」についての現状を言語化し、どんな働き方になることが理想・ありたい姿なのかを整理したかったのです。現状と理想が分かれば、理想に至る解決策を検討することができます。

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ただ、2016年の働き方改革前は、私も含め働き方については、飲み会で愚痴を言ったり、先輩や上司とキャリアについて話し合うときに少しだけ話題にしたことがあるくらいのもの。しかも、基本的には働き方を選べるなんて発想はないわけです。

決められた場所に、決められた時間働き、時間内に仕事が終わらなければ残業する。残業している人は、定時では終わらないくらいの量の仕事を任せられていて、忙しい=仕事ができる人、という構図になっていました。

沢山の仕事をこなすこと・時間をかけてでも成果を上げることが正義であって、「働き方を工夫すること・選ぶこと」にメリットがあるという考え方がそもそも無かったように思います。

例えば、19時ごろに自分の仕事が終わって、かつとても疲れていて体調が悪かったので、「すみません、今日はお先に帰らせていただきます」と言って、先輩たちより先に帰宅したことがあります。

後日、後ろ指を刺されていたことを知りました笑。「あいつは、先輩の仕事を手伝うこともせず、自分の体調を優先して帰りやがった」みたいな感じです笑 

今では全然考えられない状況なのですが、以前は「みんな忙しいのは当たり前、体調がちょっとくらい悪い・疲れているのも当たり前。忙しい=仕事が任せられるデキる人。そのデキる人の働き方が正しくて当然だ」という発想だったと思います。

(あまりに現在とかけ離れているので、思い出しながら書いていますが、有給を取ると「有給取れるんだ、暇なの?」くらいの勢いだったので、ほとんどトラウマみたいに記憶しています笑)

そんな状態が前提なのに、いきなり「グループディスカッションで働き方を整理しましょう!理想の働き方は何ですか!?」みたいなスタートをしても、

「はあ?何言っちゃってるの?」
「それ、仕事じゃないよね。数字につながらないじゃん」
「机上の空論に時間使うのもったいないけど、付き合ってあげるよ」

と言われるか、感じられるか、いずれにしても求めてる議論にはならないなあと、空気を読んだのです笑 (もちろん、前向きな方もいらっしゃたのですが、「前提として職場に流れている空気」を理解するのって、重要ですよね、という話です)

そこで、ワイガヤという、意見を出すことそのものを目的にしたコミュニケーション方法を提示することで、結論ありきではなく、一人一人の見ている景色をシェアしていただくことで、現状や理想を定性的に把握することに注力したのです。

(3)ワイガヤの構成

前置きが長くなってしまいましたが、前話の続きです。とんとん拍子に経営層へのワイガヤ提案がOKとなり、いよいよ現場社員を巻き込み、ワイガヤを実施することになりました。前回すっかり書き忘れていてしまったと思ったのですが、企画の際は、人事部のI先輩と二人で検討しました。

当時、私は営業上がりの「働き方素人」です。働き方に仕事として向き合っている「働き方玄人」とバディ組まないと、動き方がわからないな、と思ったので、I先輩に協力をお願いしたのです。

資料や会議体の調整は私が全面的に手足になるけれど、その成果物を検討するに当たってのアイデア出しや、そもそもの制度の作り方は、めちゃくちゃ勉強させていただきました。ブレーンですね。ありがたいです。。私には、情熱しかありません笑 ブレーンと共に、下記のようなワイガヤの設計をしてみました。

■参加メンバー:
・営業・技術・管理の各部門から、管理職と一般社員をそれぞれ選出
・20代・30代・40代を中心に構成
・関係ある執行役員3名に同席してもらい、総評やコメントをいただく

■グループ分け:
・1グループ4〜5人ほどで意見を出し合ってもらう
・各グループには、事務局が書記兼ちょっとしたファシリテータ役として参加し、出た意見を議事メモや付箋に書いていく
・グループリーダーを決め、最後グループで出た意見の発表を担当してもらう

■ワイガヤのアジェンダ:

①インプット:世の中の動きと会社の動きについて
健康経営とは?働き方の趨勢とは?について世の中と、会社にある制度について一通りまとめたものを事務局からシェアします。いきなり「働き方についてざっくばらんに話してください!」と言っても、頭の中にネタがないと話せませんよね。頭の中の「働き方」についての引き出しを開けてもらうためのウォーミングアップです。

②提案:改革を推進するワーキンググループの発足
単に「働き方について話し合いましょう」だけでなく、話し合った結果出てきた「働き方の改善」について、推進源になるチームをつくることを提案しました。「働き方そのもの」だけを人事部でもない現場の人間が議論しても、実現可能性が低い・狭い範囲のチームの働き方改善にとどまってしまうと考えたので、全社の働き方を改革する推進チームの発足を提案しました。それについてもワイガヤしましょう、ということですね。

③ワイガヤしてみる
【現状を把握する】
①②を踏まえ、現場の働き方、現状の働き方について思っていること・感じていること、あるいは、健康経営や働き方改革について率直にどう思うかをアウトプットしてもらいました。一つ意見が出ると、呼応するように連鎖して出てくるんですね。発言のハードルを下げることがとても重要だなと思いました。

↓ ↓ ↓ 次に ↓ ↓ ↓

【理想を出してみる】
どんな風土ができてたらいいか、そのために制度は?自分ごとにするための仕掛けは?今までこんなことしていなかったのか?考えたこともないけど、でも本当は「どう働きたいかを考えることそのもの」が重要だよねなど、どんな方向が目指す姿としてしっくりくるのか、意見を出し合いました。

↓ ↓ ↓ そして ↓ ↓ ↓

【改善方法を考えてみる】
ワーキンググループをつくることが理想の実現につながるのか?他に方法はないのか?改善策として考えられることは何か?制度設計?活用促進?障壁は何?など、意見が意見の呼び水になり、どんどん出てきました。

(4)結果:「働き方を変えること」の方向性が見えてきた

多様な意見を多様なまま活かし、一定の方向が見えるレベルまでまとめることで、見えてくることがあります。

第1回目のワイガヤでは、「制度はあっても、活用できない障壁があること」や、ワークライフバランスよりもワークメンタルバランスを整えようって言われた方がしっくりくるよね、ですとか。とても具体的な現場の「働くリアル」というか、肌感覚を言語化することができました。

この肌感覚を言語化するっていうのがすごく重要で、最初から綺麗に整理された、体系立てられた結論なんて出ないし、出せたとしてもきっと「腹落ち」にはつながりにくくなってしまって、むしろ遠回りになっちゃう。

ワイガヤは、率直な意見を出し合うことそのものを目的にし、リアルな言葉が飛び交う場所に設計するのが、一番大事なんだなってことを学ばせていただきました。

【その2】まとめ

ワイガヤとは、あるテーマについて、気楽に、意見を出し合うことそのものを尊重する場・機会と整理できました。現実があまりにも過酷が故に、理想を話し合うことがバカバカしいとすら思われてしまうことでも、まずは意見を出し合ってみることで、現場の肌感覚ある言葉がアウトプットされ、それによって次の展開が見えてきます。

苦しい働き方になっているのは、誰が悪いというわけではないんです。ただ、何となく、そうなってしまって、それが続いているだけ。みんなそれぞれ苦悩を抱え、でも「そんなもんだよな」と諦めて、放置することで固定化してしまっているだけなんです。

次回、いよいよ臭いものを放置しないワーキンググループの発足です!今日も読んでくださって、ありがとうございました。ちなみに、冒頭の写真は淡いくまさん。ぼんやりしてるけど、ちゃんと存在感があって好きです^^一歩一歩、一緒に前進していきましょうね。

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