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hataboSAN
2018年9月12日 01:08
今はもう走っていない、寝台列車にひとり乗ったことがあります。暮らしを営む明かりが少なくなると、狭いベッドに横たわり、ガタンゴトンという音に耳を傾けます。つまり、よく眠れませんでした。人気がない深夜の駅のホームは、メーテルと鉄郎が現れるのではと思いたくなる異空間でした。うとうとしていると、いくつかの県境を越えました。 そうこうしていると、車内での生活の営みが始まります。顔を洗う水の音、旅人同士の
2018年9月10日 22:53
カチッとした予定を組まなかった旅の2日目。春の日差しに誘われ、川辺に降りたわたしたちをカモが出迎えてくれた。「暖かくていい天気だねえ」「川向こうの桜が満開だよ」「川の水がキラキラしているねえ」「ほら、魚がいるよ」「で、今日は何をして過ごすの?」うん、ただゆっくりすることにしたよ。ゆっくりした時の流れで過ごす旅をプロデュースしてくれた君たちに、ありがとう。(佐賀県嬉野市、轟
2018年7月15日 00:11
大雪が予想されたある日、わたしは新幹線を乗り継いで青森に向かった。冷えたカラダをあたため、空腹を満たすために、新青森駅で入ったラーメン屋さん。注文したしじみラーメンを食べ終わる頃、器に現れたメッセージに目を奪われた。そう、小説津軽の最後のフレーズだ。ここは青森県、太宰のふるさと。 さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。「読者」を「旅人」に置き換