見出し画像

自作小説を語る・NL(男女恋愛小説)編

 実は通常の男女の恋愛ものの創作を、BLよりも先にスタートしていました(と言っても4カ月ぐらいですけど)。特徴的な点としては、四作中・三作のヒロインは「ナオ」という同一の女だということです。これは、当初「羽多奈緒」という作家自体がフィクション的な存在で、記号・シンボルとして扱おうと思ったからです。
 一方、読者さんにしてみれば、異なる作品で同じ名前を繰り返し使うと、混乱するのではないか。また「バリキャリのだめんず」というヒロイン像では作劇に制約があると感じたため、ナオは、既に羽多作品のヒロインを引退 (?) しております。

 あと、BLに比べて短編(2万字未満)なので、それほど執筆が長期化しないためか、執筆BGMは、三・四作目しかありません。

処女作「3Bの男たち~彼氏にしてはいけない職業」

 女泣かせで、彼氏にしてはいけないと言われる三つの職業。

 その職業についている魅力的な男性と、『バリキャリなのにだめんず』なヒロインが恋愛的なドタバタを繰り広げるお話です。

 ……実はですね。
 羽多、元カレにバンドマンが多いんです。集めたら(……集めないけど!)バンド組めちゃいそうなぐらい、各ポジション揃ってまして……。(同時並行とか同じバンド内じゃないよ! あと、今のダンナは違います!)

 そんな話を友人にしたら、そんなオイシイネタ持ってるなら、いっそ、美容師・バーテンダーも加えて、『バリキャリなのにだめんず』な女の恋愛モノを書いてはどうか? と勧められたのがきっかけです。

 美容師、バーテンダー、と書き進め、最後のバンドマンで難航(経験が邪魔をする)。連載は、数か月の眠りにつきました。

二作目「恋はギターの調べ」

 結局、当初想定したバンドマンは、全面的に設定もプロットも見直しました。人称も、前二作はヒロインの一人称でしたが、本作は、ヒーローの一人称です。しかも、前二作が、それぞれ一万字未満の超短編だったのに対し、一万四千字くらいの連載物になりました。

 人称を男性側に移したこと、うだつの上がらないバンドマンが、だめんずなバリキャリに説教して、恋愛に対するスタンスを窘めるというのがウケたようで、特に男性読者さんからの支持を多く頂いた作品です。実際のバンドマンの読者さんからイイネを頂いたのが嬉しかったです♡

三作目「アザー・サイド」

 人称を、ヒロインの一人称に戻しました。実は二作目の後日譚の位置づけでもあります。同じヒロインが登場します。

 職場恋愛でなおかつ不倫、しかも、不倫相手の奥さんは自分の尊敬する先輩でもある、という複雑な人間関係の中で揺蕩う女ごころを描きました。

 若干、三作目のほうが二作目より、人気があるようです。理由は分からないのですが、女性の小説家である羽多が、女性主人公の不倫ものを描いたという点が、世間的な興味を引きやすいのかな、と。(ていうか、皆さん、不倫小説好きね!

 ちなみに、冒頭にご紹介した通り、この作品をもって、ナオは、羽多作品のヒロインから引退しました。

執筆BGM:JUJU「この夜を止めてよ」
(不倫ソングですのでね……。)

四作目「The Last Present ~最後の贈りもの」

 奥手で引っ込み思案な映画好きの女子大生が、物理的には離れた土地に住む男子大学生とSNSで知り合い、彼との心の交流を通して、コンプレックスを克服していくというお話です。

 女性であることに密かに悩んでいて、男性恐怖が激しいという、不器用な若いヒロインの人物造形には、私自身の若き日を少し投影しています。

 個人的には、割と、普遍的な若者の悩みではないかと思ったのですが、どうも、羽多の作風や筆致は、青春ジャンルには、あんまり合ってないようです。青春モノのコンテスト受賞作品などを拝読すると、きらきらと瑞々しい感性に圧倒されます。「あぁ……、私はもう、こういう心境には戻れないかもしれない……

執筆BGM:あいみょん「マリーゴールド」
(いやいや、表紙画像の花はデイジーやんか! というツッコミはスルーさせていただきます……。気分ですよ、気分。)

……というわけで、今後は、いっそう大人の恋の物語に重心を置いていく所存です。

五作目「最後の花火だと知っていたらその手は離さなかっただろうか - Her side story」

こちらは有名noter 深澤佑介さん の作品に対する二次創作です。
男性目線の深澤さんの作に、女性サイドはきっとこんなこと考えてたんじゃないかな……。という物語です。深澤さんご了承のうえ書かせていただきました。これ単体で読めるのですが、ぜひぜひ、男性サイドも読んで欲しい! 切なさマシマシになるから!

オリジナルはこちら

いやー……。叶わないと分かっている恋の切なさよ。大人になればなるほど、叶わないことはすぐにわかっちゃうんだよね。でも恋は止められない。恋に関して、大人になることは本当に幸せなことなのかどうなのか。未だに私にはよく分からない

六作目「七夕の日に、あなたと」

私もその末席を汚させていただいている「書庫企画ルクイユ」の夏のイベント、#モノカキの願いごと という、ハッシュタグでのイベントで書いた短編です。七夕と言えば、一年に一度しか会えない男女。他に、年に一度しか会わないシチュエーションと言えば……。ということで思いついたお話です。

こちらは、noteにて秋様主催の私設コンテストで銀熊賞(グランプリ)を頂きました✨ 11/20文フリ東京の電子書籍にも、本作を掲載いただけるとのことです。

七作目「永遠にひとつ」

こちらは以前BL作品として公開していた「不滅の恋」、アンドロイドものをNL変換したものです。BL含め、これまで書いた小説の中で、羽多が一番気に入っています。何て言うか、作家・羽多奈緒としての存在意義、書きたいテーマを一番力強く打ち出せた作品だと思います。

エブリスタでは、2022/6/9の新作セレクションに取り上げていただきました!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?