「”新和裁”プロジェクト」始動。”新和服”を和裁士さんと作ります。
noteをご覧いただき、ありがとうございます。
新和服ファッションデザイナーの蓮目です。
この度、SUOU公式サイトで「"新和裁"プロジェクト」として、一緒に商品制作に携わっていただける、パートナー技術者様の募集ページを公開しました。
実は、ブランド創設当初より念願だった今回のプロジェクト。
その背景と想いを、ここでもお話しさせていただきます!
(ちょっと長いので、何回かに分けます、、!)
「和裁技術」をメインとする方向性の決定
あれ、今までも和裁じゃなかったの?
と思われた方もいるかもしれません。
実はまだ試行錯誤している途中過程で、全てを和裁技術で作っている訳ではありません。
その経緯も少しお話ししたいと思います。
もっと和服を着たい。洋服のように着やすくて、ファッション的な和服を作りたい、という想いからスタートした「新和服」。
デザイナーとして、新たな和服スタイルを構築する中で、ブランド立ち上げ以前より、
「和服を何のためにどう新しくするのか」
「和服の定義とは何か」
という事を常々考えてきました。
まず「新和服」を作るにしても、
「和裁」と「洋裁」どちらで作るのか。
もちろん最初から和裁士さんに依頼すればいいじゃないか、とも思いましたが、機能性を向上する面で、既存の和裁技術だけでは叶えられない部分が多々ありました。
私が目指す和服は、現代での和服の着づらい点を全てなくして、誰でも着やすく、機能的かつファッション的であること。
そのために、洋裁・和裁を融合した開発を通して、
様々な可能性を試行錯誤してきました。
そんな中で生まれたのが、今回のプロジェクトです。
和裁をアップデートして作る”新和服”
それは和裁をベースに洋裁を取り入れ、和裁をアップデートすること。
そのアップデートされた”新和裁"を和裁士の皆さまと共同開発します。
これは、私が運営するもう一つのブランド、羽織専門店「TAORI」ブランドの商品開発を通して、和裁士さんとお仕事をさせていただき、新たな「和裁」の可能性を見出したことがきっかけとなりました。
今、服を作る意味って何だろう
ブランドの構想を練り始めてから、早5年。
やはり私は、今のアパレルの生産や在り方に大きな疑問を抱いています。
元々別業界から参入した私ですが、服を作ろうとするたびに、また業界を知れば知るほど、今まで当たり前とされてきた、アパレル業界の、大量生産の問題に何度も直面してきました。
安く売るために、安く大量に作る。
そして大量の廃棄。
こうした服作りは循環せず、生産側も購入側も
多くの関係者を疲弊させ、長くは続きません。
今、声高に叫ばれている環境問題、SDGsへの取り組みにも、まずは「作る・売る側」のブランド自体が、商品生産のあり方を根本的に、見直す必要があると思っています。
既存のレールをなぞらない、
日本人の私にできる、新しい服づくり。
今も日々、実験中を重ねる毎日ですが、洋服を大量生産をするための工場で私の考える「新和服」を作ろうとしても、なかなか難しい。
そうであれば、
求められる量を丁寧に、高付加価値で作る。
そんな服作りをするべきだと考えました。
私が「和服」にこだわる理由はいくつかありますが、自国の文化こそ、個々の表現やアイデンティティとなり、自信と誇りを持つことになると考えているからです。
日本の伝統技術である「和裁」は、生産量や環境の問題、職人の若年層が減少し、伝統の継承が危ぶまれています。
(和服、着物業界でも、他の様々な問題もありますが、ここはいずれ…)
様々な文化的価値が認められ、求められる現代で、自国の文化の消滅は、想像以上に、
今後の私たちの生き方に影響を与えると、私は強く感じています。
政治的意味は全くなく、
ただ、文化が誇りと価値になり続けると信じている。
それが、私がカルチャープレナーとして、ファッションデザイナーとして、創りたい一つの姿だと、今は考えています。
総括 ”新和服”ブランドとしての選択
問題に感じる現状に、「新和服ブランド SUOU」として、独自の道で挑む事を決意した今回のプロジェクト。
「和裁」を更新することで、
和裁士の皆さまの新たなお仕事を生み出し、技術継承者を増やす。
高付加価値の商品を一点一点お作りいただくことで、技術者の報酬と立場を守り、世代を経て技術が継承されていく事も、大きな目標としています。
そして世界に対して「日本の和服」の付加価値を発信していく。
既存のアパレル業界の問題に左右される事なく、持続的な生産と販売が可能なブランド作りをしていきます。
最後に
これはまだ答えのない、一つの挑戦です。
一人で文化を創り、育てることはできません。
このプロジェクトを通して、新たな和服の可能性にお力をお貸しくださる和裁士の皆さまや、手にとっていただける皆さまのご意見、想いをたくさんお聞きしたいです。
長くなりましたが、最後に今後皆さまと共に、自ら生まれ育った風土を誇りに思うことのできる、そんな一枚を作ってまいりたいと思いますので、どうぞお力添えの程、宜しくお願い致します。
SUOU 代表 蓮目 萌々花
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