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1990年生。イギリス大学院留学志望です。人生最大の達成は鈴木道彦版のプルーストを楽し…

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1990年生。イギリス大学院留学志望です。人生最大の達成は鈴木道彦版のプルーストを楽しみつつ、惜しみつつ読み切ったこと。最近の目標はかっこよくて楽しい大阪のおばちゃん。

マガジン

  • 読書録

    読んで字のごとくです。

  • イギリス大学院留学 準備編

    筆者が2022年から2024年にかけて、渡英のための準備をしている最中に書き溜めた実際的な出願や渡英に関する手続きの作業記録です。 マガジンのサムネイルはGeorge Sherwood Hunter (1846–1919)の"Jubilee Procession in a Cornish Village"

  • 国際つれづれ

    日本に会った国際寮での生活や、英語学習、日本での国際交流のことについてのマガジンです。

  • 散歩篇

    暇な人がもそもそ歩いたり登ったりする記録です。

最近の記事

  • 固定された記事

いろいろ悩んだけどやっぱりホグワーツに進学する(迫真)

贅沢な悩みである。受験した大学すべてからオファーが来てしまったせいで、果たしてどこに進学すればよいのかわからなくなってしまったのだ。大学サイトを見ては唸り、街の観光案内を見ては悩み、知人に相談しまくり、その上にも悩みの余地が増えるのが嫌で、オックスフォード大学は面接辞退してしまった。なんてもったいないことを…。 東大には潤沢なRA予算があるし学費免除の閾値も高いから実質ほぼタダで行ける(らしい)し、インペリアルカレッジロンドンならインターンにも高収入の就職先にも困ることは無

    • 「百年の孤独」を探した八年間

      子どもの頃から、何となく「隅っこ」めいた場所が好きだった。団地と団地の間の細い抜け道が、棕櫚の樹の陰にかかるところで、一瞬立ち止まって、ここは砂漠の中のオアシスなんだと想像する。メリーゴーラウンドや電車をひたすら目で追って、しまいには動いているのがあちらではなく、私の足の下の地面であるように錯覚し始める。前に訪れた場所を、丁寧にちょうど一年通らないようにして、程よく忘れたところでもう一度、季節の彼岸花が咲いているのを見に行く。私を驚かすために準備している友達に気づかないふりを

      • Uprooted

        サムネイルはDONATO GIANCOLAによる挿画。著者のNaomi Novikは若者向けのファンタジー小説の書き手。閉鎖された魔法の学校という舞台設定に現代米国の大学・高校や社会制度に対する風刺が複層的に含意されているScholomanceが代表作。それ以外にも、「これ一本でtrilogyが書けちゃうのでは」と言いたくなるようなよく練られた作品を2編出している。私も魔法学校の代表格であるホグワーツに進学する身であるので、Scholomanceシリーズは必読と思って読んだ。

        • 日本人一家のケンブリッジ滞在記

          藤原正彦の手記をさらっと一周読む。いかにも箱庭的な大学内の人間関係。ノーベル賞を取っていても学内政治力が低いと傍流になって居づらくなるものなのか。それはノーベル賞受賞者が犇めいている環境でしかありえないことだろう。隣人研究者たちの人柄はいかにも「いそう」な雰囲気。特別イギリスだから、というものとしては、一日に2回ティータイムがあるのはいい。スタンドアロンでずっとやっていたいタイプではなく、周囲と適度に交流して切磋琢磨するほうが合っているタイプなら、イギリス式の恩恵は大きいかも

        • 固定された記事

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        • 読書録
          3本
        • イギリス大学院留学 準備編
          7本
        • 国際つれづれ
          6本
        • 散歩篇
          4本

        記事

          夏の宿題表

          イギリスに留学することになったけど、イギリスの家賃が高い。 なので、夏の間は日本で関連する勉強をすることにした。と言っても、一人で淡々と教科書を読んでいても締まりがないので、複数のdisciplineで目標を立てて人と一緒にやることにした。 データの取得・可視化ツール (週半日弱、すぐ終わるかも) 日本語でしか詳細なドキュメントがないけど、米国、欧州衛星がカバーしない領域を広くカバーする貴重な衛星について、英語のドキュメント作成及び機械学習フレームワークに親和性の高い形でダ

          夏の宿題表

          外国人が日本のジェンダーギャップを批判するほど日本の女性労働力にバックファイアする

          Quora上での日本のジェンダーギャップに関する議論を見ていてもやっとするところがあったので、言語化しておくことにする。 日本のジェンダーギャップは先進国で125位 2023年版の世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダー・ギャップ指数(Global Gender Gap Index)」で、日本は146カ国中125位だった。とくに経済(123位)、 政治(138位)での順位が顕著に低く、女性の政治参画や管理職への進出が大きく遅れていることが影響している。 男性優位→

          外国人が日本のジェンダーギャップを批判するほど日本の女性労働力にバックファイアする

          TODO:欧米に行くとみんな髪型が同じになる説の検証

          友人やご近所の人に、ホグワーツに行ってくる報告をして以来、なんだか縁起物のように扱われるようになってちょっと楽しい。 「子どもと話したって!英才教育になるから!」 「大学グッズ郵便で送って!」 とかそんな感じである。子どもは好きなのでどんどん来い。 地元の同級生やご近所づきあいのコミュニティからは本当に大受けしている。ホグワーツ人気高すぎ。学歴ハロー効果だけでも有名校に行くご利益をひしひし感じる。ていうか日本で行ってた大学も世間的には名門校なんだけど…やっぱりヨコモジが

          TODO:欧米に行くとみんな髪型が同じになる説の検証

          メモ:東京の桜の散り際は日光東照宮でも植物観察日和

          日光で植物というと、奥日光や高原地帯ばかりが出てくる。しかし、それよりも高度が低い日光の街中の時点でけっこう平地とは異なる植物がみられて満足感があったので再訪用にメモっておく。 当地の春の花の見ごろは東京の桜の散り際~ゴールデンウィークくらいまでだろうか。 カタクリ 滝尾神社の川沿いの笹藪で1輪発見。群生は見つからず。 ミズバショウ 花には少し早かった。明治の館脇駐車場など。群落多し。 ヒナソウ 外来種だけど完全に景色に

          メモ:東京の桜の散り際は日光東照宮でも植物観察日和

          TODO: 鰻のゼリー寄せと煮穴子の比較

          鰻のゼリー寄せという料理がある。イングランドの名物料理で、ハーブなどが入ったスープでぶつ切りにした西洋鰻、英語でいうところの"European eels"を煮込み、そのまま冷やして煮凝りとしたものである。ただでさえ生臭そうな鰻を、おそらく下ごしらえもせずに、イギリス特有の薄味で煮込んだ料理で、見た目もなんだかうぞろうぞろとしていて、なんとも食欲をそそらない感じである。テムズ川でもよく獲れたことから古くはEast Londonの名物料理で、下町の住人の間では手っ取り早い栄養源と

          TODO: 鰻のゼリー寄せと煮穴子の比較

          鎌倉の道

          ハイキングが好きだ。と言っても本格的な登山をする気はさらさらなく、気軽に行ける低山が好きだ。とりわけ、街と山のあわいを縫い合わせるような道がいい。 たとえば、京都一周トレイルや、鎌倉のハイキングコースなんかが典型的だ。京都も鎌倉もともに寺社仏閣の多い観光地で、山の際というか、「山内」「社叢」のような山であってかつ結界された場所がまさに人の流れの中心地になっている。そんな繁華な観光ルートをほんの数十歩はずれたところにうっすら始まる踏み分け道なんか、もう最高だ。 鎌倉の話をし

          鎌倉の道

          インペリアルカレッジ ロンドン大学院インタビュー体験記

          2/27追記:無事に合格連絡が大学からきた。 インペリアルカレッジ ロンドンの大学院アプリケーションはラウンド制を取っていて、複数のデッドラインごとにそれぞれにアプライした中から優秀な学生を漸次採用していく。各ラウンドごとに最初は書類選考で絞込み、(多くの場合においては)面接を行ったうえで取っていく。私は1月のデッドライン(一番早く、その分有利と言われる)にアプライして、三週間後にオンライン面接への招待が来た。使いやすい面接予約用のインターフェースへのリンクがメールで送られ

          インペリアルカレッジ ロンドン大学院インタビュー体験記

          日本からイギリスにはホラー出版物を郵送できない

          日本からイギリスにはホラー出版物を郵送できない

          ケンブリッジ大学院 英語力がやや足らない向きへの救済策

          2024年2月時点の情報である。鵜呑みにせず、大学から来る連絡やウェブサイトの情報をしっかり確認しよう。 英国の大学は、英語を母語としない留学生には英語要件を課している。多くの場合、IELTSやTOEFL iBTいずれかの点数として要件が規定されており、失効前のスコア証明書類のオンライン提出で英語力を証明することができる。 この英語要件は、出願前にどうしても突破しなければならないものではない。出願後でも、適宜よりよいスコアに差し替えることができるし、スコアが足りなくても(

          ケンブリッジ大学院 英語力がやや足らない向きへの救済策

          文脈性の高い文化にいる幽霊たち

          小説、漫画やホラー映画に出てくる「見えないふりをしなければならない」幽霊について、良く思うことがある。こいつらの題材は一体何なのだろう、と。 幽霊が見える人と、見えない人がいる。また幽霊が見えると、それだけで幽霊から襲われやすくなる。訓練を積むことで対処することができるようになるが、見えないようになることはできない。見える人は、多くの場合繊細な人格の持ち主である。 何となくこの「幽霊」は、人間関係の文脈性が高い状況において発生する悪意のある含意の恐ろしさを、それが見えない

          文脈性の高い文化にいる幽霊たち

          ジャパンレールパス

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          海外に行ったほうがうまく行く人ってどんな人だろう

          何となく自分がそうなんじゃないか、という気がしている。けど、本当に海外に行ったことがあるわけではない。印象論でも記録に留めておいて、留学を終えた後に心情の変化を振り返る栞にしようと思う。 客観的に見ると、私はうまくやれているほうなのだろうと思う。基本的に学校の勉強は人類トップ0.01%くらいにはできるほうだったし、人に言うと羨ましがられるような会社に就職できて、会社でもまあまあ要領よく仕事をこなして成果も出してきている。 その一方で、これまで人生で躓いてきたところがどこな

          海外に行ったほうがうまく行く人ってどんな人だろう