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TODO:欧米に行くとみんな髪型が同じになる説の検証

友人やご近所の人に、ホグワーツに行ってくる報告をして以来、なんだか縁起物のように扱われるようになってちょっと楽しい。

「子どもと話したって!英才教育になるから!」
「大学グッズ郵便で送って!」

とかそんな感じである。子どもは好きなのでどんどん来い。

地元の同級生やご近所づきあいのコミュニティからは本当に大受けしている。ホグワーツ人気高すぎ。学歴ハロー効果だけでも有名校に行くご利益をひしひし感じる。ていうか日本で行ってた大学も世間的には名門校なんだけど…やっぱりヨコモジが大事なのか。

そういえば、実家にいた頃は頭が良くなるからって「○大生が出てくるクイズ番組」見せられたなあ。本読んでても勉強してても居間に呼びつけられて、困っちゃったものである。行かなかったら音量マックスにして部屋でも聞こえるようにする親切心。終いには本を取り上げる。高校生の私はやたらテレビに出てくる○大を深く恨んで、閉校時間後は淀川の河川敷か、夜九時まで空いている福祉施設のロビーで勉強するようになった。絵にかいたような逆恨みである。

ありありと、友人宅で、「そんなことやってるとホグワーツに行ったhtさんみたいになれへんよ!」と言われている子どもの様子が目に浮かぶ。手元から取り上げられているそれは参考書でも小説でもないかもしれないけど、子どもが本当に心から楽しんでいることかもしれない。子どもの顔をよく見ると、子どもの頃の私である。いやいや、感情移入しすぎている。それでも表層的な「学歴受け」への良い対応方法のテンプレートないかな。少なくとも、話さなければそれが誰かの重荷になることはないのか。あ、なんであいつらが出身大学をぼかすのか分かるようになったぞ。

同業者や、私のことを良く知っている人達は「わーおめでとー楽しそー!」くらいの反応でちょっと安心する。ちゃんと中身を見てくれてる人は、レッテルが変わったからって急に接し方を変えないんだ。何人かには出張や旅行のタイミングで学内を案内する約束をする。みんなノリノリである。ホグワーツは観光客にも大人気なので、向こうから人が会いに来てくれるというのも通う利点かも。

行きつけの散髪屋のお姉様に、渡英するから次回が最後になるよ、と伝えたら、イギリスから写真をたまに送ってくれとのこと。是非送りましょう。ちょっとずつ髪が長くなってしまいには貞子みたいになる様子を、月送りで、イギリスの古い建物を背景に。何なら髪の毛の実物も送るよ。

そういうホラーものありそうだねって話していたら、隣の席で散髪されている若者が震えてた。そんなに怖かったか、と何かに勝った気分。学歴があってもなくても、さりげないホラーが大阪人の対話の本分である。日常の範囲で、そんな小さな別れを繰り返していると、この二年間ほど、不本意な人事異動で鬱屈していたつもりだったけど案外楽しかったのかもなーと今更ながらに感慨深い。

今更だけど、夜の河原をうろついていた私をそれとなく気にしてくれていた、バスの運転手さんたちありがとう。

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