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私「芸術は爆発だ!」

「芸術は爆発だ!」

岡本太郎さんの、とても有名なこの言葉。

私は、芸術という名の学問の端っこをここ数年かじっていながら、この言葉の意味をいまいち理解できずにいました。

しかし先日、末永幸歩さんの著書『13歳からのアート思考』を読みまして。

この本に「芸術は爆発だ!」という言葉は出てこなかったけれど、この本を読むことで、ずっと謎だった「芸術は爆発だ!」という言葉の意味を私なりに解釈できたように思いました。

といっても、「芸術は爆発だ!」に対する私の解釈は現状2つあるのですが、

1つは、「芸術は、アーティストの中にもともとあった何かがあるトリガーによって表面化したものであって、何もないところから生まれるものではない」という解釈。

芸術って、アーティストが何もないところから造形物や絵画を作り出すところだけにフォーカスが当たりがちです。

でも、アーティストの頭の中にはその人の考えやアイデアがずっとあって、造形物や絵画はその考えやアイデアを膨らませた末のアウトプットのひとつに過ぎないのだなあと思いました。

つまり、内に持っていたものが、あるとき何らかのトリガー(=着火剤)によって“爆発”するというのが芸術だというわけです。“爆発”は何もないところから生まれません。

『13歳からのアート思考』にも、「アートとは、アーティストが内に持っている考えや疑問を突き詰めた結果=その人なりの答えを表現したものであって、ただきれいな絵を描くことがアートなわけではないのだ」という趣旨のことが書かれています。

そしてもう1つは、「芸術は、既存の固定観念や常識を壊した(=“爆発”)歴史そのものである」という解釈。

先ほども書いたように、芸術はアーティストその人の考えやアイデアを形にしたものです。

アーティストの考えやアイデアは、ときに「芸術とはこうあるべき」という固定観念に向けられ、「本当に芸術はそうあるべきなのか?」という疑問から生まれたアートがたくさんあるそうです。

こちらも『13歳からのアート思考』で重点的に説明がなされていて、数々のアーティストが常識を打ち破ってきた歴史を見ることができます。(詳しくはぜひ本を読んでみてください……!)

もちろん、岡本太郎さんの言葉には私の解釈以外にもさまざまな解釈があって然るべきだし、岡本太郎さん自らの発言の意図もあるのは言うまでもありません。

『13歳からのアート思考』に書かれていて、私がハッと気付かされたことですが、アートを鑑賞するとき、多くの人は作品が描かれた背景を知ろうとします(=作品の背景とのやり取り)。

しかし、アートの鑑賞方法にはもう一つ、作品そのものをよく見る(=作品とのやり取り)という方法がもちろんあって、作品とのやりとりにおいて、作品の作者の意図はそこには関与しないのです。

私は、これは芸術に限らず、言葉についても同じことが言えると思っています。

岡本太郎さんがどういった意図で「芸術は爆発だ!」と発言したのかはもちろん気になりますが、それとは別に、自分が「芸術は爆発だ!」という言葉を聞いてそれをどう捉えたか、というのも同様に大事なことだと思います。

だから、ここで私が書いた「芸術は爆発だ!」は、岡本太郎さんが発した言葉と、それを受け取った私の解釈によって成り立っているわけです。

こういった自分なりの解釈から、自分なりのものの見方や考えが育っていくのかもしれません。

あなたは、「芸術は爆発だ!」という言葉を聞いて、どんな解釈をしましたか?

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