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消費者物価指数とはなんだ~経済指数を学ぼう~

昨日は、日本銀行が公表している経済指数の一つ「日経短観」について解説いたしました。「知っておきたいけど、こむずかしいぜ…」という心の声を解消する内容になっていれば幸いです。

今回は、消費者物価指数について解説していきましょう。これまた日経新聞とかによく出てくる経済指数です。そして、最近は商品の値段が爆上がり傾向にありますが、そのあたりも関係していそうですね。しっかり見ていきましょう!

国民の生活水準を表す指数。消費活動がモロ反映されます

消費者物価指数とは、消費者がモノやサービスなどを買う時の値段、つまり物価の動きを把握するための統計指標です。総務省から毎月発表されます。全国版と東京都区部版の2種類あり、東京都区部は速報で集計され、当月分が発表されます。全ての商品を総合した「総合指数」と、それとは別に価格変動の大きい生鮮食品を除いた500品目以上の値段を集計して算出されている「生鮮食品を除く総合指数」も発表されます。

消費者物価指数の変化が、ざっくり物価の変動です。だからこそ国民の生活水準を示す指標のひとつになっていますね。「経済の体温計」といわれることもあります。CPI(Consumer Price Index)と略されることもあります。

管轄している総務省でも分かりやすく解説してくれているので、こちらもぜひ読んでみましょう。

https://www.stat.go.jp/data/cpi/2020/mikata/pdf/1.pdf

「生活に必要なものを買った場合」に、「過去と比べてどれくらい値段が上下しているか」を数値化したもの

消費者物価指数の計算方法は、考え方自体はシンプルです。
◆過去の物価を100とした場合
◆過去と今で同じものを買ったとしたら
◆今は100からいくらになるのか(★)
この★が100より増えれば国民から見た物価が上がったことになりますし、逆なら下がったことになります。

2022年6月2日時点での最新版はこちらです。

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

2020年の物価が100となっていますね

2022年の指数は、2年前の2020年のときの値段を100にしています(「2020 年基準指数)。最近は値段が上がっていますから、想像通り総合は101.5と上がっていますね。また、生鮮食品やエネルギー(原油など)などは、気候変動や地政学的な要因が強いため、それらを除いた指数も公表されています。見てみると、総合指数に比べて、除いた数字は下がっていますね。ということは、生鮮食品・エネルギー関連商品以外の商品の値段の変動は比較的緩やかだ、と言えることができます。

過去と現在で買うと仮定するものを「指数品目」と呼びます。本当は全て商品を反映するのがベストですが、現実的にそれは不可能なので、家計で重要度の高い商品を代表として選び、その価格を調べ数値化しています。これまた総務局が家計の収入・支出,貯蓄・負債などを毎月調査する「家計調査」を参考に品目が決められています。現在、582品目が選ばれており、重要度が高いものは比重が高くする(ウエイトと呼んでいます)ようになっています。

2022年はやはり物価高の年。今後も要チェック

最後に最新の結果の表を見てみましょう。

直近2年のデータが出ております。2020年を基準にしたとき、分かりやすく値段は増えていますね。赤丸の総合もそうですし、下の「生鮮食品を除く」も上がってきています。日経新聞でも各メーカーから色々な商品の値上がりの記事が出ていますし、今後もこの傾向は続いていくと思った方がよいでしょう。ただ、それと同時に、生鮮食品・エネルギーを除く商品の値段はまだ値上がりが弱いので、そこまで敏感にならなくてもよいかもしれません。せっかく品目が分かれているのですから、「物価が上がっている!」と全体で焦るのではなく、個別に判断していくのがよいと思います。


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