今は低層高級マンションが建つ、京都は岡崎――わが生家跡。格子戸があった辺りに佇めば。風景基底は変わらぬものの。50円玉握り締め、動物園の閉園メロディーを合図に“斜め”ダッシュした駄菓子屋が、ない!さらに隣、木を切る電ノコ音が日常音だった材木屋が、ない!嗚呼、移ろう眺めに…残る音。