”ぼちぼち行きましょうね” 主治医にも 鮎中毒さんにも 呟かれる 俗世間に放たれ 気がつくと周り人々の口癖は “ぼちぼち” “生き急いでましたもんね”と 言われ早三年 狂ったように 鮎を獲りまくるは 昨年やったから 今年は ぼちぼち川に居る それでいい きっと 浮世雲
雨聴 お籠りのGW 何処にも行かずミシンで襤褸を愛でていた 一雨毎に 稚鮎は川を遡って来る あと一週間で 鮎漁が始まる 去年は毎日毎日 鮎漁三昧 今年はゆっくり ゆったりと 鮎漁を愉しめればなと 毎日毎日 茶を愉しんでいる 朝から晩まで 茶三昧 今日は雨 雨音を愛でて 浮世雲拝
歩いてご覧よ 幾度も幾度も前を通り過ぎ 気になっていた小さな小さな看板 牛歩な日 左折した 車がひっくり返りそうな激坂 その先は延々と石段が続く 混沌とした林から 清々しい森に入る 日常 目で見る情報それを処理する 自分のちっぽけなさ 小さな小さな看板 歩いてご覧よ 我が足でと
鮎漁師飯 漁協から新しい鑑札が届いた 鮎中毒さんから 今年の鮎漁について作戦会議の お知らせもやって来た “昨年は鮎獲り過ぎた” ストイックにスパルタリハビリし過ぎたのである 冷凍庫の落鮎20匹を素焼きにし 鮎漁師飯を三合炊く “今年は ほどほどに獲る” 鮎漁師 浮世雲