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新型コロナウイルスの経済への影響

◇ IMF予測
 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、2月22日、新型コロナウイルス感染の影響で、2020年の世界経済成長率見通しを1月時点から0.1ポイント程度下方修正し、約3.2%にするとした。
 中国は0.4ポイント低い5.6%。これは、1990年(3.9%)以来、30年ぶりの低成長。
 サウジアラビアのリヤドで開催されたG20(財務相・中央銀行総裁会議)で発言した。
 これは、

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無形資産は陳腐化のスピードが速い

◇ 陳腐化が速いことの意味
 無形資産は、物的な資産に比べて、陳腐化のスピードが非常に速い。
 Windows 7はもうサポートしていない。スマートフォンもつぎつぎに新型機が登場し、古い機種は使えなくなる。

 陳腐化スピードが速いということは、成長率の高い企業、あるいは成長率の高い経済にとっては有利であることを意味する。

◇ 速い陳腐化に適しているのはクラウド
 速い陳腐化に追いつくためには、

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日本の生産性を高める切り札は、無形資産への投資

従業員一人当たり付加価値と、無形資産比率ないしはソフトウェア投資比率の間には、明らかな相関がある。
 規模別にみると大企業が高く、中小企業は明らかに低い。
 これが日本の生産性が低い基本的な原因だ。

 したがって、日本の生産性を高めるための最も有効な方法は、知的資産やソフトウエアへの投資比率を高めることだ。

 技術的には、キャッシュレス決済や画像認識決済によって、無人店舗も可能になっている。

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日本経済の現状

景気は悪化を続けているのに株価が上がる。不思議な現象だ。

◇ 景気動向指数
 内閣府が1月10日発表した2019年11月の景気動向指数(CI、2015年=100)は、一致指数が前月比0.2ポイント低下の95.1だった。
 2カ月続けて前月を下回り、13年2月以来の低水準に落ち込んだ。基調判断は4カ月連続で「悪化」。

 それなのになぜ株価が上昇しているのか、不思議なことだ。

◇ 輸出 
 財務

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大企業の中小企業化と正社員の非正規化

◇大企業の中小企業化
 日本の賃金が上がらないのは大企業の賃金が上がらないからだ。中小企業では賃金は上がっている

 2012年10-12月期から2018年10-12月期の期間を見ると、資本金10億円以上の企業では賃金が若干低下しているが、資本金2000万円~5000万円の企業では賃金が1割程度上昇している(『野口悠紀雄の経済データ分析講座』、図表3-1)。
 これは、中小企業では人手を確保するた

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日本経済の長期的な経済成長率はどのくらいか?

◇ 長期的にはゼロ成長になる可能性が高い
 日本の長期的な経済成長率を評価してみよう。
 まず実績を見ると、2012年から2018年における実質GDPの年平均増加率は、1.16%だ。
 OECDの長期予測は、この程度の成長率が今後も続くとしている。しかし、それが実現できるかどうかは、大いに疑問だ。

 日本経済は、今後、労働力の減少に直面する。
 仮に年齢別の労働力率が不変であるとすると、2020

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日本経済は、賃金下落と消費停滞から脱却できるか?

◇ 2020年度の実質成長率見通し1.4%は、実現できるか?
 政府は18日、「令和2年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」 を閣議了解した。

 それによると、2020年度の実質国内総生産(GDP)成長率は1.4%で、19年度の0.9%の見込みよりも高まる。
 名目成長率は2.1%と、19年の1.8%より高まるとしている。

 消費者物価の上昇率は、0.8%を見込む(19年度見通しは0.6

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人生100年を現役で過ごすには

人生100年を現役で過ごすにはどうしたらよいか?
それは、現役で過ごしたいと願い続けることだと思う。

これが必要条件であることは明らかだ。
現役でありたいと思う願いを捨てれば、仕事を続けるための条件は次々に失われてれていく。そして、現役ではいられなくなる。

私は、これは十分条件でもあると信じている。
つまり、現役でありたいと常に願っていれば、状況がそのように変化し、そして実際に現役でいることが

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財政収支と社会保障の将来推計

◇ 財政収支試算
  内閣府は、7月31日の経済財政諮問会議に、中長期の経済財政に関する試算を提出した。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019/0130/shiryo_05-1.pdf

 2020年代前半の実質GDP成長率が2%程度、名目成長率が3%程度になる「成長実現ケース」でも、25年度は2・3兆円の赤字、26年度も0

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老後生活資金の問題

老後生活資金の問題は、いまの日本では、誰にとっても極めて重要で、切実な問題です。
 この問題は、伝統的な日本社会においては、それほど深刻ではなかったものです。
 その理由は2つあります。第一は、退職後の平均余命がそれほど長くなかったこと。第二は、退職後は子供の世帯と同居して生計を一にするという家族内の扶養が一般的だったことです。
 この状況はだいぶ前から変わってきましたが、それでも問題はさほど深刻

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