設備投資の6割は過剰だった。

 アベノミクスの期間に、企業利益が増加し、利益剰余金が激増した。つまり、企業の「金余り現象」が起きた。
 企業はその使い途として現金預金を増加させた。同時に、設備投資も増えた。つまり、設備投資は、企業の手元資金が潤沢だったという「金余り」が引き起こしたものだ。

 このように、設備投資は、将来の需要増に備えるために行なわれたのではなく、「資金があるから」行なわれた。したがって、その多くが過剰投資だった。その額は、アベノミクスの期間に行なわれた設備投資の6割程度と推計される。これは、将来の企業経営の重荷になるだろう。

 この期間に銀行借り入れは増えていないので、金融緩和による金利低下はまったく無意味だったことになる。設備投資増は、金融緩和の結果として起こったものではない。むしろ、金余りが金融緩和の効果を無効にしたことになる。
 
https://diamond.jp/articles/-/208288



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