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140字で読書記録/「ブラフマンの埋葬」小川洋子  名前も素性も記されず、舞台である《創作者の家》とそれが所在する村での関係性だけで描かれる登場人物。何の生き物か最後まで言及されないブラフマン。静かに保たれていた距離感の均衡がわずかに崩れたとき、ひとつの穏やかで愛しい夏が終わる。

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140字で読書記録

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140字で読書記録/「ラストパス」中村憲剛  結末だけが先にあった5年間の筋書き。ご本人の凄さや素晴らしいご家族・関係者の存在に呼応するように展開する運命が、結末に至る空白のページに「出来過ぎ」な物語を刻む。試合シーンで当時の熱気や感情が鮮やかに蘇る・・・方々が羨ましい新規な私。

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140字で読書記録/「推し、燃ゆ」宇佐見りん 自分の価値観の根幹に、自分のものではない何かを据えるということ。 どんなに尽くしてもカーテンの向こうには行けないし窺い見ることすらできない事実。 良くも悪くもライトだと思っていた「推しがいる世界」に絶対的支配的な側面を見る。

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夫は定年まで勤め上げても、主婦の彼女は終わらない。そんな彼女が1年の半分、山小屋をやろうというのだ。貴方ならやれる楽しんでと応援したくなるし、羨ましい。因みに私、幼きより山に囲まれ暮らしている。山の色で季節がわかる。海が見える暮らしに憧れたこともあるけど、やっぱり山っていいなぁ。

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食堂を営む謙介と小学生の娘鈴花へ、食堂の客で物理学研究者聡子が話したこと。138億年前、宇宙誕生直後に生れた水素は海や雨や雲、生き物となり地球を巡っている。私が使った水素を他の生き物が使う、その逆も。鈴花の周りに水蒸気として存在している。母を亡くした鈴花に安心をもたらす言葉だな。

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