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【嚥下食】黄桃のジュレ

【嚥下食】桃のラッシームース

黄桃の缶詰、トマト缶、ひよこ豆、粗塩とお酢。瑣末なものを買い、歩きやすいようにと丁寧に袋に詰めてくださった酒店のお母さんが笑顔で見送ってくれる。片足を引き擦り夜道を歩きながら、これが私の修了式なのだと思った。傘を打つ拍手のような雨音。植物に連なる円い雨粒の虹。心は晴れやかだった。

何か気持ちお祝いぽいものと思い傘をさして商店街に行くと、唯一開いていた酒店。お母さんと立ち話をしながら買物をした。子供の頃、体調が悪いと食べていた黄桃の缶詰を見つけた。いつのまにか美味しいマカロン1個分くらいになっていた。白桃より黄桃の方が好きだったのは、太宰の短篇の影響だった。