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◆諸項の接続関係は多層的であり各層の角度も異なる。多元的に絡まり合う網の目の諸項の接続秩序を見抜いたうえで諸項と切り結ぶ。その場合、【項分裂】【項融合】という言い方ができると知っておくとよいかもしれない。そうでないと一の項の在り方を絶対視してしまい、新接続を見い出しにくくなる。

◆個人と集団のあるべき関係というアポリア。「個の創出」は個が集団と切り結び続けている動態を指す。その内実は、個人を取り巻く諸項の接続秩序を見通し見抜き、あるいは項の内包に迫りながら、諸項の接続秩序をつなぎ直し、項を組み換えていくことにある。単なる断絶や敵対、一体化や同化ではなく。

夏目漱石「硝子戸の中」(六)~(八)より/切り結びの諸相