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狂言を観ることと心を和らげること

呟】狂言の舞台中お稽古中 つい所作や型の‘違い’が氣に掛かることがござる こんな表現(やりよう)もあろうか、と思える分な好うござるが 摺り足や足のさばきなどがなおざりにされた動きを視ると つい正したい思いに駆られてござるが そんな折は、自身の動きにこそ注意が必要でござる

呟】昨日の狂言会では少し前に習った謡の『鐘の音』が舞われ足拍子を手でなぞっておりましたら隣の席の方から休憩中に声を掛けられてござる お互いに茂山千五郎家の狂言師に狂言を習うている仲間と知れましてござる 好きから漏れるモノが横の繋がりを広げることにつながって嬉しいことでござる

報】こんにった京都御苑西にある金剛能楽堂にて茂山狂言 を観稽古でござる 瀬戸内寂聴さんを偲んでの お豆腐狂言会 寂聴さんが延暦寺開山千二百年の記念に書き下ろされた新作狂言の久方ぶりの再演を楽しみましてござる 色っぽい?ようなそうでもないような、不思議な狂言でござった

呟】毎日のお稽古することを大切に思うておりまするが ここ二日は狂言『蟹山伏』を繰ってないことに氣づいてござる やはり披露することは重大に思うているのだと改めて感じてござる 出番は変わってござるが お稽古の質量ともに下げることのないよう 想いを新たに取り組もうと存じまする

呟】さる事情がござって狂言『蟹山伏』の披露が秋から来年の春、岡山へ延期でござる いたしようのないことではござれども出番が減るは残念なことでござる 今一つ、狂言『舎弟』の教え手役はござるれども 会までの二か月にて なんとか新たな狂言の習得を目指したいモノでござる

呟】狂言では市井の身近な人々が登場するが常でござる これまで数多くの太郎冠者始め、主人、大名、酒屋の主人、女、出家、聟(男)、兄、山立、客、参詣人を勤めてござる 固有の名を持つ者は稀にござる 狂言の人物は 自分自身が現れもし、また まったくの別人でも在れるのでござる

呟】狂言をする意図のうちには貢献感を持つこともござる 披露した狂言を観たお方が、和やかに和ろうてもらいえたならば その分少しなりとも健やかになろうと云うものでござる 狂言のこころでもってお話を伺うことができれば 心身和らげることも相適うのではないかと思うてござる

観ることで心和らぐ狂言を

わたくしは狂言を通して好きが広がってござる