「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」(2022)は、同名小説を基にした長編アニメ映画である。自分の都合で二人の女の子に多大な迷惑をかける主人公に、一時流行したセカイ系(笑)作品の行き着く果てを見る想いである。世界は君のことなど気にしていないと、気づきなさいな。
「サイダーのように言葉が湧き上がる」(2020)は出会って恋して走って告白する「いつもの」アニメ映画である。一年の公開延期の間に「タギングを推奨するものではありません」というテロップ以外見直すとところはなかったのか、まともに機能していない脚本と演出に呆れる問題作であった。