いい本ないかな

読書感想文「1時間でわかるアイヌの文化と歴史」瀬川 拓郎 (監修)

歴史学や考古学からの研究が進み,一般の興味関心も広がっているアイヌについて満遍なく最新の知見がわかる一冊。
 時代や場所によっていろんなアイヌがいた。もちろん,悪人も権力者もいた。アイヌとは決して一様ではないことが共有されていなかったのは,その多様性が知られていなかったからだ。アイヌ文化を辺境の民の文化と見るのは,もはや偏りが過ぎている。日本の歴史学が首都の位置で時代区分をすることが典型なように,

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読書感想文「感情の整理術123(ひふみ) 62年現役を貫けた秘訣」加藤 一二三 (著)

実は多くの著書を持つひふみん。その最新刊。最近,ローマ教皇が来日した際,東京ドームに出向く敬虔なクリスチャン,なんたって聖シルベストロ教皇騎士団勲章を持ってるくらいだからね。
 そんなひふみんが,宗教の要素をなるべく抜いて,考えや実践を中心に語ったんだけど,どうしても聖書由来の言葉が出てくるのはしょうが無い。
 この本,テレビで見るひふみんが,なぜ,ひふみんなのか。言葉を尽くして伝えようとしたり,

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読書感想文「「富士そば」は、なぜアルバイトにもボーナスを出すのか」丹 道夫 (著)

立ち食いそばチェーン・富士そば経営者・丹道夫の立志伝である。
 仕事は人がする。その仕事の目標を達成するために組織を動かしていくことを経営とするならば,丹は,どう経営してきたか。その経営観である。リーダー・マネジャーからの権限委譲が重要と,経営書には繰り返し出てくる。では,何をどこまで委ねるのか。担は言う「基本的に,大体のことは『自分で判断しなさい』と,社員に任せる」。そして,「私の好きな言葉は『

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読書感想文「新説 坂本龍馬」町田 明広 (著)

小松帯刀である。つくづく,小松である。19世紀,その地政学的位置のため,自ずと開けてしまった薩摩藩が,「国家」を意識したとき,旧弊を打破することを決断。その薩摩を率い,先導したのは,のちに英雄視される面々ではなく,小松帯刀であったのだな,と認識させられる。
 坂本龍馬とは,自由であったのかもしれないが,それほど独立した存在ではなく,場面を限ってみれば,小松の部下だ。「日本国」の「海軍」を勝海舟も坂

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読書感想文「天智朝と東アジア 唐の支配から律令国家へ」中村 修也 (著)

敗戦後,社会体制はどう動くことになるのか。領土や権益を巡って,開戦した後,終戦は互いの停戦合意に調印した後,決着する。この当たり前の視点から「アフター・白村江の戦い」の検証を試みた意欲作である。
 負けたのは,倭国だ。当然,特使もやってくるし,進駐してくる大規模な一団もある。唐の世界戦略にも組み込まれることにもなる。首都・飛鳥が駐屯により抑えられてしまうのは当然だし,本国への通信・連絡手段も整備さ

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読書感想文「座右の諭吉 才能より決断」齋藤 孝 (著)

15年前,斎藤孝はイラだっている。前年の2003年,大手金融機関に公的資金が注入される。2004年は,鳥インフルエンザが発生したり,新潟県中越地震に加え,豪雨災害が続いたりとザワザワしていたそんな世相である。政治家の年金未納問題が発覚したり,プロ野球のストライキがあった年でもある。そうそうネット・バブル崩壊後の高失業率の余波が続く世の中だった。
 そんな時代状況において,光文社新書編集部と齋藤は,

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読書感想文「起きたことは笑うしかない!」松倉 久幸 (著)

期待せずに手に取った本がとんでもなく面白いことがある。これはそんな一冊。老人が過去を振り返ることが中心だから、どうしたって昔話になるし,懐古趣味っぽくなる。ただ,それだけじゃないんだ。抜群に面白い。笑いという人間だけが持ち得ている特殊な情緒反応を生業とする当事者でありながら,そのものを作り出す側ではない立場ゆえに,笑いとの距離感もある。そりゃあ,深くなる。
 松倉会長が,戦前と戦後の志ん生師匠を比

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読書感想文「みんな、忙しすぎませんかね?~しんどい時は仏教で考える。」釈 徹宗 (著), 笑い飯 哲夫 (著)

仏教である。仏教の教えとともに暮らしてきた二人が対談と往復書簡形式で,いくつもテーマで己の知識と想いをぶつけ合う。学者でもあり僧侶でもある釈が真正面から答えれば,幼い頃からお仏壇と大家族の中から自分の視点を築いてきた哲夫がモノゴトを押したり引いたりしながら,独自の視点を見せつける。
 怒る,煩悩,地獄,運,努力は報われるか,バチが当たるなどなど,仏門の前を通り過ぎるだけじゃなく,ちょっとは覗いてみ

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読書感想文「ゴミ清掃員の日常」滝沢 秀一 (著), 滝沢 友紀 (著)

「ゴミは人々の生活の縮図」。普段,考えを巡らすことの外に置いておきながらも,日常生活上,切り離せないゴミ。哲学者だろうが,大企業経営者だろうか,デイトレーダーだろうが,アイドルだろうが,ゴミを出さないことには生活が成り立たない。そんな当たり前なことを,漫画を通じて我々に知らせてくれる一冊だ。
 現代のテクノロジーで文明生活・消費生活を送る限り,僕らはゴミを出さずには生活できない。逆を言えば,(結果

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読書感想文「教養として学んでおきたい落語」堀井憲一郎 (著)

今の落語シーンを語る双璧といえば,堀井憲一郎と広瀬和生で決まりだろう。その我らがホリケンこと,堀井憲一郎がずんずん書いた一冊。そのホリケンが戸惑っている。「落語に行くなら,どういう準備をすればいいでしょうか」と学生に何度も聞かれたからだ。今時のまじめな学生たちだ。ホリケンは語る「たぶん,『伝統的な日本のもの』だとおもっているのだ。そして『勉強していかなきゃ恥を掻きそうだ』と勘違いしているのである」

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