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スタートアップ創業塾でのプレゼン内容を全公開!~コミュニケーションで社会を良くする~

先日、私が住んでいる三原市(広島県)で創業塾の最終発表がありました。そのプレゼン内容を原稿をつけて全て公開したいと思います。

僕が今考えていることの全てに近いことです。
少しでも皆さんと共有させてもらえると嬉しいなと思います。

今回のプレゼンは15分間だったため、最初に目的を考えそれに合わせて伝えたい内容を4000~4500字でまとめました。その後、原稿に合わせてスライドを作成し修正を重ねています。

スライドは全部で62枚、原稿は5000字程度です。
一読いただけると嬉しいです。

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おはようございます。橋本です。今日はコミュニケーションで社会をよくするということについて話をしたいと思います。

今日のプレゼンの目的です。それは

デモクラシーの仲間を見つけることです。どうかバカだなと思わず最後まで聞いてやってください。

仲間になってもらうためには、僕がどんな人で、どんな思いで何をしようとしているのか、そしてデモを起こした先にどんな未来を見ているのかを知る必要があると思います。

僕は広島国際大学という東広島の学校でリハビリの免許を取りました。

ここはどこかご存知ですか?三原にもリハビリの免許が取れる立派な学校があります。そう県立広島大学です。三原にもあるにも関わらず、なぜ東広島にいったのか?

落ちたからですw 今でも恨んでいますwww 嘘ですww

僕のリハビリ職としてのファーストキャリアは、デイケアと言われる通型の高齢者施設です。僕は学校教育や実習を通して、リハビリすれば人の身体は良くなるという先入観を持っていました。しかし、

よくならなかったんです。

高齢者の方々は若年者の方と比較して、そもそも、身体機能のキャパが少なくなっているので改善したとしても上がり幅がどうしても小さいのです。そこで理学療法士としての私のアイデンティティってなんだろうと苦しむことになります。

身体機能は暮らしを構成する要素のごく一部でしかありません。このことに気づくのに1年以上はかかりました。

身体機能のみにフォーカスするのではなく、その人の暮らしをよくするためにはどうしたら良いだろうかと考えることができるようになってブレイクスルーすることができました。

私たちがチャレンジしているのが暮らりというプロジェクトです。まさに暮らしをよくするための活動です。

暮らりは暮らしのリノベーション。今、暮らしに難しさを感じている人たちや物事の価値を再定義していく活動です。

暮らりは築120年になる古民家をフルリノベーションしています。

暮らりは2階建ての建物で、1階は自社で運営するくらすばというデイサービスです。2階はオープンスペースとして賃貸で貸し出します。

1階部分のくらすばの特徴は2つあります。1点目は決まり決まったプログラムがないということです。大抵のデイサービスでは、集団体操やレクリエーションなどが用意されています。このようなプログラムは、集団に個人が合わせていくという構造です。集団に合う人はいいですが、認知症が進行して合わせることができない、自分の時間を大切にしたい方や、プログラムそのものに関心がない場合は苦痛を伴います。なので、最初から集団で行うプログラムは用意していません。

2点目は、多様な人との可能ということです。デイサービスの施設内にいる利用者同士や職員以外にも多様な人と関わりをもつことができるということです。毎日の食材も地域の方々のものを使わせてもらいます。近隣にある神社の掃除にも行かせてもらいます。このようにデイサービス内だけで全てを完結するのではなく、地域の方々との作業をデザインすることで、コミュニケーションが生まれます。

くらすばで大切にしていくケアの考え方です。対象者の心や体のこと、どんな生活を送っているのか、どんな価値観を持っているのか、どんな役割があるのか、周りの環境や病気について、その対象者を把握するためのフレームワークを活用していきます。情報を整理した上で、対象者の良いところを編集します。

例えば、認知症があるが身体はまだまだは元気、主婦をしていたのでジャガイモの皮むきがうまくできる、くらすばでは昼食を作る必要がある。そうするとカレーを一緒に作ってみますか?と活動の提案ができます。

2階の貸しスペースについてですすでにパンパカンパニというデザイナーユニット3名がかりてくれることになっています。

まだどのように空間を運営していくかは定まっていませんが、カフェや図書館などを運営するという話もあったり、子供の教育事業のスペースとして活用させて欲しいという話もきています。

基本的には子育てをしているお母さん世代や学生さんたちに来てもらえると嬉しいなと思っています。

この空間を私たちからパンパカンパニが月額3万円、プラス売上連動性で借りてもらいます。

ここで少し三原市の人口の話をしてみたいと思います。三原市の高齢化率は36%です。じゃあ全ての町が36%なのかというとやっぱり違うわけです。

暮らりのあるエリアである西町です。暮らりのある2丁目では、高齢化率は52.2%。すでに2人に1人は高齢者ということになります。高齢化率50%を突破している町は三原市の中でも多くはありません。三原市の中において、高齢化を先取っているというわけです。つまり最先端です。

一方、同じ西町でも南側に位置する1丁目の高齢化率はどうかというと、34.6%と三原市全体の数値とほぼ同じなんですよね。子育て世代や仕事をしている世代も少なからずいらっしゃるということではないでしょうか。

そして、西町には幼稚園やこども園が2法人3箇所あるんです。定員を合計すると420名にのぼります。子どもを迎えに来るために西町には毎日かなりの人数が、西町以外からも出入りしているのです。

2丁目の高齢者の方々、1丁目の学校や幼稚園に行く人、仕事に行く人、みんなそれぞれ別の暮らしを営んでおり交わることはほとんどないのではないでしょうか。

暮らりをハブに普段、交わらない関係のひとちが、交わるようになったら面白くはないだろうか?と妄想しています。

暮らりの話に戻すと1階と2階とでは全く別々の目的で別々のユーザーが来ることになります。

この別々の目的で来たユーザー同士を何かしらの作業で繋ぐことで、双方に豊かなコミュニケーションが生まれることになるんじゃないかと考えています。

例えば、この吹き抜け・・・
1階と2階を間接的に繋ぐ仕掛けです。2階から何かものを吊り下げてもいいかもしれません。

これは1階にある壁です。
普通に見えるかもしれませんが、ホワイトボードのようになっています。2階を目的にきた子どもや、スタッフが連れてくるこどもが遊ぶきっかけになるかもしれません。

くらすばに来られるばあちゃん達におむすびを握ってもらい、2階に届けてもらってもいいかもしれません。コミュニケーションをとる仕掛けはいくらでもできます。

そもそもなぜそこまでコミュニケーションに拘るのか。

テクノロジーが発達したことで効率よく早く物事が進ようになりました。また、不動産なんかは自分が所有する領域の土地や建物が非常に明確になっています。昔のような長屋で土間があるような空間が少なくなってきています。

資本主義における市場経済では、致し方がないですし、自分自身も恩恵を受けているので文句は言えません。しかしながら、コミュニケーションが削減されているようにも感じるのです。

先日、昼食を買いにスーパーに行きました。 三原の人なら知ってるかもしれません。ニチエーです。そこでしゃべった言葉は決済時の「ペイペイで」だけだったんですよね。

一方暮らりの向かい側にある小西豆腐で惣菜を買おうとすると、やたらコミュニケーションが発生するわけです。

上記通りの言葉でプレゼン

つまり決まっているようで決まっていない要素、つまり関わりしろがたくさんあるからコミュニケーションが生まれているんだと思います。

このコミュニケーションによって作られる人とのつながりをソーシャルキャピタルと呼んだりします。このソーシャルキャピタルはさまざまところで重要視されています。

例えば災害時。消防隊の到着よりも先発で救助にあたるのは近隣住民です。元から知った人同士であれば救いやすくなります。西日本豪雨の時でも感じたのですが、支援や情報が集まる人というのは平時にどれだけ人と関わっていたかが可視化されたように思えました。

そして、健康。運動習慣や喫煙・飲酒よりも健康に与える影響が大きいとも言われています

これは、その人の人間関係を図式化する社会的コンボイと言われるものです。

やはりここでも人との関わり方によって、幸福感やストレス対処に影響を与えるということが言われています。

コミュニケーションを通してできる人とのつながりが、何かあった際の粘り強さを生むのだと信じています。

三原市でも課題にされていると思う空き家や空き地です。こういう状態になるということはコミュニケーションのきっかけがなくなるということです。財源に限りある自治体だけに頼るのではなく、少しでも民の力でできる範囲で小さいまちづくりを実践していく必要があるのだと感じています。

空き家や空き地を自分だけのものではなく、広い目で社会や地域の共有資本だと捉えて活動していく必要があると思っています。

暮らりも社会的共通資本として捉え、私のものでもあるけど地域のみんなのものでもあるということを大切にして、リノベーション中もさまざまな実験を行ってきました。

上記通りの言葉でプレゼン

これは、僕が落ちた県立広島大学w の皆様と一緒にやったベンチの作成ワークショップです。

これはリノベーション中に駐車場一画を駄菓子屋さんにして、地域の皆様と楽しんでみました。

暮らりの柱や壁の塗装も地域の方々を巻き込んでやってみました。この実験で得られた「よかったな」と思うエピソードを2つ紹介します。

これは暮らりに何度も足を運んでくれている親子の会話です。子どもさんが、暮らりの1階をデイサービスにすることを認知してくれていたり、僕が連れていかなくちゃと主体的に捉えている様子が伺えます。お母さん自身も行ってみたいと思える介護施設があるという言葉もいただきました。

こちらの兄弟は暮らりの近くに住む子どもさんです。土日連続で塗装のワークショップに参加してくれました。土曜日はおばあちゃんと参加して、日曜日は両親と一緒に参加してくれています。土曜日に、この子どもに暮らりの案内をしていたら、日曜日に両親が来られたときにこどもの方から両親に暮らりの案内をしていたんですよね。どちらのエピソードも暮らりという建物が自分の所有物でもないにも関わらず、自分のストーリーとして取り込まれた瞬間だったんだろうなと思います。

暮らりをハブに様々な方々が繋がり、コミニュケーションがとれるようになったらいいなと思っています。開設前ではありますが、暮らりの機能を抽象化して、様々なところとネットワークが組めるように進めてきました。お金のアイコンがキャッシュポイントとなっています

僕にとって豊な場というのは、「日常の思いがけないタイミングでコミュニケーションが始まる」そんな場です。

そんな場をふくし拠点と呼んでいます。僕もこの小さなふくし拠点を小さくてもいいからたくさん作っていきたいと思います。それがきっと街の価値を高めることにつながると信じています。

金融機関から融資をしていただき、なんとか開業はできそうです。

4月には内覧会も行います。ぜひ足を運んでください。

最近子供が産まれました。そしたら、何か考える時間軸がとっても長くなったんですよね。この子のためにどんなことができるだろうかって。きっと僕が伝えることができるのは、本当の豊さってなんだろうか?という問いを与えるくらいかなって思うんです。

20年後くらいに、この街を出て少し経過して振り返る時に、「父ちゃんが作った空間ってなんか居心地よかったんだよな。三原の空気感なんかよかったんだよな」ってこっちに戻ってこなくてもそう思ってもらえるように、地道に街の景色と空気作っていくことを事業を通じてやっていきたいなと思います。

それが僕の優しいデモクラシーです。

本当はここまでで終わりの予定でしたが、最近街が慌ただしくなってきました

暮らりの東側4件が解体されて更地になることが決定したのです

その内の2区画は駐車場として活用するようです。本当にいいのでしょうか。

駐車場というのは周辺のエリアが活性化しているからこそ、意味があるものです。この衰退しているエリアに本当に必要なのでしょうか。周りに空いている駐車場があるにも関わらずです。僕は大家さんと不動産屋さんに連絡を取り、私たちの法人に託してくれないかと相談をしています。しかし月々の賃料を支払いできるビジネスモデルはまだ考れておりません。

そこで、皆さんお願いがあります。一緒に考えて実践してくれる人、サポーターとして資金を援助してくださる方や法人さんがいらっしゃればぜひ一緒に取り組んでもらえないでしょうか?

1人で解決できないことも、たくさんの人の知恵が集まれば解決できるかもしれません。

上記通りの言葉でプレゼン

ともにワクワクすることをやっていきませんか?ありがとうございました。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
私たちの活動をサポートしてくださる方に向けたオンラインサロンも開始しています。
さらに詳しく活動を知りたい、少しでも応援してあげたいという方がいらっしゃればぜひ参加いただける嬉しいです。

https://note.com/hashimoto_kurari/n/n854ab101856c



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