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28歳女、7/10に正社員を辞めます。

私には千葉にママとお姉さまがいる。

故郷の母とほとんど同い年のママ。
自意識過剰だとわかっているのだが、なんだか気恥ずかしくて入籍日を知らせてなかった。たまたま入籍日に連絡をくれた。勘がよく、軸がしゃんとしてて、優しさを惜しみなく与えられる人。


人間界に生きるチーターのようなお姉さま。
鍛えられててしなやか。私に必要な知識をぽつりぽつりと与えてくれて、私は多分この人に会うために関東に来たのかなと本気で信じている。余計なものを削ぎ落とした野生を腹に飼っている人。

千葉に行き、やりたいことを全部やり、その結果10年来の友達と一度さよならした。
それでも割と好き勝手生きられたのはこの2人と会えたおかげだと思っている。

(他にも飄々としたお兄様や前向きに生きるちゃめっ気のあるおじちゃん、なんだかんだしたたかなマダム等、愛すべき面々が沢山いたのだけど)

上述した2人は飛び抜けた勘の良さと押し付けがましくない、血の通った優しさ、あとタイミングの良さが共通している。


引っ越して、同居して、結婚した。

異動先の、いわゆる現店舗に疲れて、というか、正社員で薬剤師として働くことにほとほと疲れてしまった。異動してなんとか保たせようと思ったが、生涯はおろか、夏季ボーナスまで持ちそうになかった。早々の転職も視野に入っていた。のんびりとした同居生活。しあわせ。柔らかな真綿にくるまれたような日々。

ねぼけて、ぽーっとしていた。

あああ。とても幸せだけど、どうしよう。ドイツに一度行かないと、日本に腰を据えて暮らすことを今後も選べないような気がして。


そんな中、お姉さまから連絡が来た。数ヶ月に一回程度の連絡頻度。中途半端な就活をやったりしてる迷いを見透かされてる感じ。

「7/10付けでやめます。その後に海外に行きます」

衝動に任せたお姉さまへの返事。ああこれが私のやってみたいこと。これが全てなんだなと思った。久々に血が沸いて、送信を押す親指が少しふるえた。

完璧さは、それ以上足せないときでなく、減らせないときに達成されるのである。
サン・テグジュペリの名言より

行ってみてから考えよう。
いつ死ぬかもわかんない。
私の身体からこの後悔を差し引きたい。

慈しみかたを教えてくれたママ。
かっこよくて優しいお姉さま。
わたしからみて完璧で、大好きな2人にだけは、いつでも胸を張って会える自分でいたい。


次は約束してたオランダとロスで会えるように、強くなりたい。

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