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『きく』創作日誌 Day 13 最終回:「CoRich!舞台芸術まつり!2023春」のグランプリを取っての感想。

どうも。長谷川優貴(@hase0616)です。クレオパトラというお笑いコンビでネタをしたり、エンニュイという劇団を主宰して脚本演出をしたりしています。

公演が終了して、かなり時間が経ってしまいました。やっと『きく』創作日誌の最終回を書こうという気になれました。

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僕の主宰する劇団(組合/創作の為に集まれる場所なのですが知らない人には伝わらないのでわかりやすく劇団と書いています)「エンニュイ」の『きく』が全ステージを終了しました。ご来場いただいた方々、出演して下さったみなさん、エンニュイメンバー、アフタートークゲストのみなさん、SCOOL、木皮さん、長谷川健太郎さん、大森さん、 CoRich、全ての関わってくださった方々へ、深く感謝の意を表します。

『きく』という作品に向き合う作業は、僕自身の傷口を抉るような苦痛を伴いました。思い出したくないけど、忘れてはいけないことを脳裏に焼き付けていくような。そして、そんな話を他人に背負わせてしまう罪悪感とも対峙しました。

全力でこの作品を作り、そしてパフォーマンスしてくれたみなさんに感謝です。本場中、みなさんと汗と眼差しが頼もしくてカッコよくて、涙が出てくる時がありました。出演していないエンニュイメンバーも含め全員の気持ちがガッチリ合う瞬間がありました。その瞬間を感じられたことが今回最大の収穫です。

また、忘れてはならない感謝の気持ちを伝えさせてください。『きく』という物語の源となった母への深い感謝です。彼女から得た人生の教訓と経験が、物語を創造する源泉となりました。母への感謝を込めて、再び、ありがとう。


そして、『きく』が、「CoRich!舞台芸術まつり!2023春」のグランプリを獲得しました。これは、誰かただ一人の功績ではなく、全員が一丸となって取り組んだ結果であり、初演から現在に至るまでに関わってくださった全ての人々の力が蓄積され、結晶化したものです。

初演に関わってくれた方々

【出演】
高木健
児玉磨利
足立靖明
篠崎大悟(ロロ)
関口まなと
せとたけお
野津あおい
林大介(かたつむり)
油井文寧

【照明】
渡辺敬之(仕立て屋のサーカス)

【音楽】
大原巧

【制作】
宮野風紗音(かるがも団地)

【演出助手】
いけだりょう

【ドラマトゥルク】
青木省二、足立靖明

【協力】
たなしゅう、SCOOL

かながわ短編演劇アワード時に参加してくれたメンバー

【出演】
浦田かもめ
小林駿
zzzpeaker
勢登健雄
長井健一
二田絢乃

【制作協力】
宮野風紗音

ブラッシュアップして新作として公演してきましたが、この過去の二回の創作があったからこそ公演は成功しました。今まで関わってくれたみなさんから出た言葉、動き、アイデア、全て蓄積となり残っています。賞金は再演資金なので難しいですが、本当はこれまで関わってくれた全ての人に賞金を山分けしたいくらいです。

僕がだらしない為に、疎遠になってしまった方もいますし、もしかしたら今回のグランプリについても快く思っていない方もいるかもしれません。綺麗ごとや美談だけでは語れない蓄積の上に今回のグランプリがあります。でもウザイかもですが、本当に本当に全てのみなさんに感謝をしています。素敵な作品にしてくださりありがとうございました。

この受賞は、過去から現在に至るまでのみなさんの努力の象徴であり、全てのメンバー、スタッフ、そして何よりも観客の皆さんへの感謝の証でもあります。これまで、この作品に関わり、助けてくださった全ての方々に、心から感謝の気持ちでいっぱいです。

感謝という言葉ばかりになってしまってすみません。でも本当に感謝しかないんですよね(笑)

僕の経歴は、多くの演劇人とは少々異なるかもしれません。高校時代に演劇部に所属していたわけでも、大学で演劇を学んでいたわけでもありません。僕は中卒のお笑い芸人です。メンバーの経歴も様々です。所謂、演劇界という世界にいる人間がほぼいません。そんな劇団なのか、なんなのかわからない団体がグランプリを獲得したという事実を見て、こんなやつらでも、やれるんだと思って、変な人がたくさん変な演劇を始めてくれたら嬉しいです。

今回の『きく』は、SCOOLというインデペンデントスペースで公演をしました。劇場だったら、舞台監督や照明、音響などをつけなければいけなくて、相当なお金がかかります。劇場代も普通ならかなり高額です。

というか、普通にゼロから演劇を始めようとしたら、まず舞台監督や照明や音響の知り合いなんていねーよって思いますよね。僕もそうでした。でも、だからと言って、そこで諦めては勿体ない。

僕は、今回の公演で照明も担当しました。音響はいません。生演奏です。それでも、ほんの少しの黒字にしかなりません。僕の今回のギャラは7000円くらいです。赤字にならないだけいいんです。ここから取り戻せば。しかし、ここまでをも体験せずにやる前から断念してしまう人がいることが勿体ない。面白いこと考えられるのにカンパニーが作れない人や、演劇界隈に知り合いがいなくてどうしたらいいかわからない人、そんな方がたくさんいると思います。

そんな人たちが、気軽にやってみようかなと思えるライトな雰囲気の演劇界を作っていけたらなと考えていたので、今回のグランプリは嬉しいです。議論が分かれたことも嬉しいです。

↓審査の流れや、審査員の方のコメントが読めます。

色々な経歴の人の作品をたくさん観たい。

自分の作品をハイコンテクストだと思ったことはないが、ある程度ハイコンテクストにして、それでも観客を置いていかずに、観客と共にライブ感のある空間を作ろうとしています。ハイブリッドなことをしようとしているので、まだまだ上手くはいってません。でも、これは観客に伝わるとか、これは伝わらないからわかる人だけわかればいいとか、そういうのは僕の中にありません。たくさん失敗したり誤解されたりするかもしれませんが、諦めなければ、観客のみなさんと一緒に成長していけるのではないかと思っています。それが派生していけば、たくさんの人に伝わるのではないか。観方を理解して更に楽しめるように諦めずにやっていきます。その為に、常にお笑いで培った構成力を使い、ギリギリを攻めているつもりです。

勝手に世間に難しいと思われている面白い表現が世の中にはたくさんあります。みんなが小難しく語るから、芸術って高尚なものなんでしょとか思われがちですが、そんなことありません。芸術は日常的なものです。謂わば、あるあるネタです。それを文脈や歴史などで見て楽しむのはコアな楽しみ方です。勉強不足とかそういうのはありません。直感で自分なりに楽しむ。それでいいんです。もっと縛られずに自分なりに楽しみたいという方は是非舞台芸術を観に来てください。

明確に答えを提示されて、そこにいく為に誘導されて、泣かされたり共感させられたり。それも楽しいですが、それに物足りなくなっている方はたくさんいるのではないでしょうか?

だって、最強だと思いませんか? 自分の感覚で楽しめるんですよ。ということは、自分で面白いところを見つけ続ければ、この世にはつまらない作品はなくなるということになります。 

台本書いて、稽古して、本番やって、あなたがあなたなりの解釈で最後に物語を作り上げるんです。そうやって、ひとつの物語から、マルチバース化していく感覚が僕は好きです。

今回の公演情報には演劇公演ではなくperformanceと記載しました。それは、演劇と言う色眼鏡で見てほしくなかったからです。僕は「演劇の上演」をしたつもりですが、その言葉に縛られて「演劇の文脈的にはどうたらこたら」みたいな作品の本質とは違うところで楽しめなくなるのが嫌だったからです。なのでこれからもエンニュイはperformanceと記載します(気分で変わるかもですが)。僕は演劇だと思っていますが、メンバーでさえそれぞれ違う捉え方をしていると思います。なので、みなさんにも好き勝手にジャンルは決めてもらっていいです。観る人によってはダンスかもしれないし、ミュージカルかもしれない、剣道かもしれない、、、剣道はないか。

今は芸人の活動より演劇をしているので、劇作家・演出家と名乗ることが多くなりましたが、僕自身は芸人だと思っています。でも、自分が心の中で思ていれば、どう捉えてもらってもいいんです。

とにかく、自由に肩の力を抜いて観に来てほしいです。一緒に目の前の現象を素直にシンプルに楽しみましょう。お会いできることを楽しみにしています。

今回、こうやって沢山の方に知ってもらえる機会を作ってくださったCoRichさん、審査員のみなさんありがとうございました。今まで、わかってもらえなくて挫けそうな時もありました。面白いはずなのになと思っていたのに、自身が揺らいでわからなくなる時もありました。審査員の方々のコメントを読むと、今まで理解してもらえなかったことを理解していただいていて、それがとにかく嬉しかったです。逆にそうじゃないんだよってことが書いてあるとイラっとしましたが(笑)人間なので(笑)でも、それも全て含めて感謝です。良いことも悪いことも、こうやって言葉を頂けるということが嬉しいし、糧になります。

演劇界からしたら、ほんの小さな小さな出来事だと思います。でも、率直に嬉しいです。

いえーーーーい!!!!!!

実際の世界で喜びを叫ぶ人間ではないのだけれど、素直に叫べる人に憧れているので、文章上だけでも叫んでおきました。

さて、次に向かうステージに向けて、エンニュイは再び動き始めます。新たな物語、新たな舞台に向けて、一歩一歩を刻んでいきます。その道のりには困難もあるかもしれませんが、簡単な道は選ばずに、文脈とか枠組みとか界隈とか気にせずに、自分たちが面白いと思う道を進んでいきます。

まだまだ新体制になって1年も経たない未熟な団体(組合/場所)ですが、引き続きエンニュイの活動をたまに覗きに来ていただけると幸いです。新たな舞台で皆さまとお会いできる日を楽しみにしています。

最後に、今回の出演者、制作、全てのメンバーが滅茶苦茶面白くて素敵なメンバーなので、今後注目してください。今回も審査の中で出演者が魅力的と書いてあって嬉しかったです。そうなんですよ。この人たち凄く魅力的なんです。今の内から追っておいた方がいいですよ(笑)

みんなのアイデアでできた作品です。全員が作演出です。僕はなにもしてません。枠組みを作っただけ。改めて、みなさんグランプリおめでとうございます。みなさんのグランプリです。

出演

市川フー
zzzpeaker
高畑陸
二田絢乃
オツハタ
浦田かもめ
小林駿

ドラマトゥルク:青木省二(エンニュイ)
制作・演出助手:土肥遼馬(エンニュイ/東京軟弱野菜)・四木ひかり
映像
高畑陸

それでは、また!

再演は決まり次第、ご報告いたします!

エンニュイ「きく」『CoRich舞台芸術まつり』グランプリ記念 - 期間限定無料公開※7月16日㈰23:59まで



今後のエンニュイ

今年は、「くせ」をテーマに作品を作っています。様々なやりかたで創作し、来年に1本の公演を完成するというものです。

直近では豊岡演劇祭で新作を公演します。

『くせ』9/22(金)〜9/24(日)
会場:友田酒造
作・演出:長谷川優貴

出演
市川フー、zzzpeaker、高畑陸、二田絢乃

以上エンニュイ

浦田かもめ
中村理

詳細はこちら↓


先日ファシリテーター(グループが協力し目標達成を支援し、参加者の意見を公平に扱い、自身の意図で誘導しない中立の立場を保つ者)を務めたワークショップに参加して下さった方々の感想レポートが公開されています。熱のこもった感想嬉しいです。みなさんありがとうございます。是非ワークショップに偏見がある方に読んでいただきたい。

この感想レポートを読むと、少しだけエンニュイの演劇の作り方が掴めるかもしれません。

また来月あたりに個人でもワークショップを再開しようと思っていますので、気になる方は是非ご参加を。

このワークショップの感想はまた後日書きます。



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