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社会に必要とされたくて必死に「他人モード」で働き続けて、ふと気づいてしまったこと (読書メモ #直感と論理をつなぐ思考法 #VISIONDRIVEN)

恥ずかしながらのカミングアウトになるのだけど、20年近く前、就職活動の面接で落ちまくって。

今の自分からみれば、理由はかんたんで「子ども過ぎたから」。

自分の発言が相手にどう受け止められるのかなんて想像すらしたことなくて。自分が思うことが正義。社会性のカケラもない。なのに自分はデキると根拠のない自信だけは人一倍強い、ホントいけすかない勘違い野郎で。(そんなやつ自分が面接官でも100%落とす。)

残念なことに、当時はそんな自覚ゼロ。わけがわからぬまま、面接を落とされ続ける。そのたびに突きつけられる「お前は社会に必要とされてない」というメッセージ。

すこし病んでいたのかもしれない。犬の散歩に行くという大義名分に助けられ、実家近くの利根川土手に通い、体育座りしてたあの日。

どこで間違えたのか。何を間違えたのか。とりとめのない不安と焦り、社会からいらないと言われ続けているような疎外感。黒いものに包まれて胸のまんなかあたりが、重く押さえられるようなあの感覚。いまも思い出すだけで、不安に取り込まれて泣きそうになるくらい。

ーー

自分より遅れて就職活動を始めた同級生にも内定が出揃った頃、ある面接の前に寄ったマークシティの本屋でたまたま立ち読みしていて、撃ち抜かれる。

「相手に期待するアクションを考える」

ロジカルシンキング」という本だった。直後の面接で、それだけ意識して臨むようにしたら、初めて通過して。

「他人の気持ちになって考えてみること」

幼稚園で習って以来ずっと言われてきたはずのこと。わかった気になっているだけでできていなかった。きっといろんな人が遠回しに、時には直接的に教えてくれていたはずで、それでもわからなかった。

だけど、目的達成のための合理的な手段「ロジカルシンキング」の手法と言われれば、自分にもすっと入ってきて。まあ、この2つが同じであることに気づいたのはずっと後なんだけど。

この当時の自分にとっての「ロジカルシンキング」。本質的には「他者視点」をはぐくみ育てることが、そのまま自分の社会人としての成長の歴史になる。

数年後には、なんとか最低限、ビジネスを営み、円滑とはいえないかもしれないけど、仕事上の人間関係もなんとか成立させられるようになれた。(今も人間関係は不得意)

最近に至っては、「成果を出すコツは相手の立場で考えること!」とドヤってみたり、チームのメンバーに「相手に期待するアクションを考えた?」と説教するとか、他者視点を仕事のコツとして後輩に強要してるくらい、身体に染み付き、自然に使いこなしている。

この「どうすれば他人が満足するか」を考える「他者視点」は、今の自分が社会で戦うための武器でもあり、面接に落ちまくり、社会に受け入れられず、何者にもなれないという不安と絶望から、自分を救ってくれた恩人みたいなかけがえのない存在。

おそらく今、採用面接を受けたら、新卒の時みたいに落ちまくりはしないと思う。(落ちるとしたら年齢とか顔が濃すぎるとか別の理由のはず)


で、この本。(前置き長くなりました)

はじめに、に書いてあるこの部分。引用したので、読んでもらってもいいですか。(ゆっくり目で。)

ふつうに生きていると、僕たちの脳はずっと「他人モード」になっており、「自分がどう感じるか」よりも、「どうすれば他人が満足するか」ばかりを考えている。

「自分モード」のスイッチを切ったまま日々を過ごしていると、僕たちは「何がしたいのか」を思い出せなくなる。「君はどう思う?」と意見を求められても、そもそも「自分がどう思うのか」すら、よくわからなくなる。

ご指摘の通り。

いま自分が「何がしたいのか」よくわからなくなってる。

やりたいことを考えてみても、4巻までしか読んでない「キングダム」の続きを漫画喫茶で一気読みしたい、くらいしか思いつかない。それすら、一度ハマってしまうと廃人になって、家庭をないがしろにしてしまうことが容易に想定できるので、自分で抑制したまま、キングダムのネタバレを敏感に避けつつ、今に至ってしまうくらいには「他人モード」を生きている。

本書でいうところの「他人モード」を身につけられたことで、自分は、なんとか社会でやっていけるようになった。しかしその代償に、「自分モード」を失い、何をしたいのかわからなくなったってこと?これ、現代社会の悲劇じゃないかと。(説明的)

で、本書が、「自分モード」を取り戻すために、勧めていることは以下。

① いますぐ1冊のノートを買うこと(A6・無地のモレスキンノートがおすすめ)
② いますぐカレンダーに、毎朝 15 分、ノートを書くためだけの予定を入れること

考えるよりも行動してみることが大事だと受け取り、そのままやってみました。(ただ、ノートはモレスキンではなく、Amazonのジェネリックモレスキン 。)

で、4ヶ月、ほぼ毎朝書いたんだけど。

気づいたら、書くことが目的になって、客観事実の羅列になってて。何時間寝たとか、何食べたとか、何があったとか、そんなことしか書けてなくって。ダメすぎる。これは根深いなと。先日、本書を読み直して、感情、欲望、妄想を書くように意識したら、なんも書けないんだ、これがまた。

現在進行系の話なので、オチはないんだけど、

社会に必要とされるために必死に「他者視点」を身に着けて「他人モード」で働き続けて、ふと、自分が何したいのかもわからなくなってることに気づくって、たぶん「あるある」で、ここから陶芸か蕎麦打ちあたりに目覚めていくのが、おっさんとしての正しい在り方かもしれない。

40歳まであと2ヶ月。自分は何がしたいのか、わかるようになるのだろうか。

実は本書、KindleUnlimitedなら0円で読めます。定価で買った身からするとちょっと悔しいので、読まなくてもいいです。


毎週note書いてます!

エモい文章を意識してみたけど、時間切れ。カバー写真は土手の風景に似たものをチョイスしてみました。

あのとき一緒に土手に通った実家で飼ってた雑種の犬は去年死んだ。

※今回は、7月28日(日)~8月3日(土)分の週報になります。

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