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老いは足から、心身の健康も足から -フット足爪ケアで社会参加を-


足の筋肉量の低下

日本人の筋肉量の加齢変化を部位ごとに調査した2010年の研究(谷本芳美氏ら:日本老年医学会雑誌47巻1号p.52-57)によりますと、足の筋肉量、特に下肢の筋肉量の減少率が大きいことが報告されています。下肢筋肉量は男女とも20歳代より減少を始め、80歳までにいずれも3割近く減少することがわかっています。

足のトラブル

また、2014年の高齢者の足トラブルの調査(狩野太郎氏ら:北関東医学64巻4号p.335-341)では、皮膚乾燥(44.6%)、角質肥厚(40.6%)、肥厚爪(37.6%)、たこ(21.8%)、外反母趾(18.8%)や巻き爪(12.9%)などが見られました。角質肥厚は本来剥がれ落ちる角質が残ってしまって分厚くなっていく症状です。肥厚爪は特に足の親指などが分厚くなってしまい、痛みを伴うこともあります。同じ研究では、これらのトラブルを抱える高齢者は、足の保湿については47.5%、マッサージについては60.4%がほとんど何も行っていないと回答しています。

筋肉量の低下やトラブルが外出や社会参加を妨げる

足の筋肉量の低下も、足のトラブルも、高齢者の外出や運動に影響を及ぼすことが考えられます。そして、外出頻度や運動が減れば、筋肉はつきませんし、さらに減っていくことが予想されます。そしてさらに外出や運動を行わなくなるという悪循環に陥ります。これは、高齢者の社会参加も妨げられることを意味します。人とあったり外の世界と触れ合ったりすることが減れば、精神的にもふさぎがちになり、また悪循環に…。

「老いは足から」まずは足を健康にして好循環を

「老いは足から」とよく言われます。筋肉量の低下やトラブルの痛みなどで外出や運動が減れば社会参加が損なわれ、精神的にも良くありません。閉じこもり状態になり、またそれが筋肉量の低下やトラブルを助長するという悪循環を止めるために、私たちは17年間、「フット足爪ケア」をご提案してきました。

保湿やリンパケアを行うことにより血行を促進したりリラクゼーション効果をもたらし、乾燥や角質肥厚解消を目指してきました。爪やたこの処置は医療的な行為となりますので、清潔に保つセルフケアをお伝えします。痛みのある場合や状態がひどい場合などは、医師に診てもらうよう本人やご家族さん、介護施設スタッフさんに促します。

「フット足爪ケア」を通じて、足が軽く感じられ、精神的にもリラックスするのでしょう。高齢者の方々の外出が増えたり、行事やお稽古事など社会参加につながるケースを多く見てきました。「老いは足から」なら、「心身の健康も足から」と言えるかもしれません。


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