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日本の発見3

『Le Japon』の挿絵の続きです。


葬式-死者のための儀式


 なんだか立派な葬式の様子です。奥に武士がいて、6人の僧侶が楽器を奏でています。ヴィルタールが空想で描いたのではないかと思っていましたが、いやいや違いました。国立国会図書館のデジタルコレクションに徳川将軍葬儀図という資料を見ることができます。そこに描かれている将軍の棺が本資料に描かれているものと酷似していました。ということは将軍や藩主クラスの人物のお葬式の様子と考えてよいのではないでしょうか。


京都にて自分の部屋に戻る宮廷の貴婦人

 そしてもう一枚。十二単と思しき着物を身につけた公家の女子と奥にいるのは女官でしょうか。「京都にて」と表記があることから京都での一風景のようです。

 実は京都は明治5年(1876年)の第一回京都博覧会までは外国人の出入りが禁じられていました。そのため、外国人が京都を写した写真も少なく、彼らが京都知ることになるのは明治中期頃ではと考えられています。
京都とはいかなる場所かという外国人の好奇心をかき立てていたに違いありません。

〈参考文献〉写真で語る京都ー映像資料の可能性ー

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