近代教育の始まり
明治5年、学制が制定されて近代的な学校教育が始まりました。当初は欧米の教科書を翻訳した『小学読本』が用いられていました。明治19年に教科書検定制度ができ文部省自らが教科書を作り始めます。
本資料は教科書会社の集英堂本店の様子が描かれています。集英堂は日宗生命保険株式会社と同じ日本橋にありました。前回、ご紹介した鉄道馬車が描かれています。この絵を見ると乗務員はラッパを吹いています。汽笛みたいなものでしょうか。当時は乗合馬車の馬丁がラッパを吹いていたようですので、鉄道馬車も同じかもしれません。
集英堂の店の柱には「書肆 小林八郎」と看板が掲げてあります。小林八郎はこの断片があった教科書の奥付に出版人として記載されているところから集英堂の設立者だと思います。
明治時代の出版社や日本橋の様子がよくわかる一片です。
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