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踊らされる花にならない。

あなたが好きな花は、なんだろう?

わたしは、椿が好きだ。
とくに、赤い椿。
冬から、早春にかけての一年で一番寒い時に咲く花。

群れることなく、枝の先に一輪ずつ花を咲かせ、
花びらを散らすことなく、
潔く花の形のまま地面に落ち最期を迎える。
鉛色の寒空や、真っ白な雪景色に映えるその赤はなんとも美しい。



世界中で愛され続けているシャネルを象徴するモチーフの『カメリア』とは
椿のこと。
ココ・シャネルが愛した男性、アーサー・カペルからプレゼントされた
白い椿が彼との愛の証としてモチーフのきっかけとなったのは有名だ。


窮屈なコルセットを女性から解放させた、シャネルは女性の自立を促進させた、先駆けとなった人。
彼女もきっと、寒い冬に咲く凛としたその姿に、自分と未来の女性たちを重ねたのではないかと思う。



わたしは、強烈なフェミニストなわけでもないが、女性の生き方のバリエーションがもっと軽やかに、年代、性別を問わず認知されていったらいいな、と考えている。

選択肢が多いからこそ悩み、古い価値観や年齢の呪縛に傷つくことからもう少し
優しく自分たちを解放させてあげられたら、そう思うのだ。
情報や、人の意見に踊らされない、と言う意味での『自立』とでもいうか。

椿の凛とした姿を、わたしは羨望の眼差しで見つめる。
そして、こんな声が聞こえるのだ。


踊らされる花になんてならない。
風が吹いたら、揺れる。
ただ、それだけよ。



晴海たお

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