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「ずっと一緒にいようね」が果たされなくても。
初恋の人と結ばれた人は、どれくらいいるんだろう。
ふと、そんなことを思ったりした。
わたしの初恋といえば年長さんの時で、1つ年上の男の子だった。
自分の背丈より大きなクリスマスツリーの前で、おんぶしてもらったキラキラとした思い出が、心の中に残っている。
でも想いを伝えることはなく、小学校を卒業してから、彼が今どうしているのかも知らない。
そういう人は、少なくないんじゃないかと思う。
少女漫画では初恋の人と幸せになる光景が描かれることも多いけど、きっと現実ではそう多くないんだろうな。
むしろ現実で多くないからこそ、物語で描かれるのかもしれない。
だけどわたしたちは、初恋が散ってもまた、恋をする。
中学校、高校、大学、そして社会人になっても…。
濃さや回数はもちろん人それぞれだけど、それぞれに色々な想いを抱えてきたはず。
今20代後半、もうすぐ30歳になるわたしも、いくつかの恋愛を重ねてきて。
楽しいことも嬉しいことも、思い出したくないくらい悲しいことも、心が押しつぶされそうなこともあった。
ありきたりな言葉だけれど、確かにその1つ1つが今のわたしを作っていると思う。
1つ残らずわたしの大切な糧として、パワーになってくれているのだ。
だけど今そう思えるのは、それらの恋愛が全て『過去』になったから。
現在進行形で1つ1つの恋愛の渦中にいる時は、決してそんなことを考えられる余裕はなかった。
むしろ「この恋愛が全てで、わたしにとって最後の恋になる」と本気で思っていたくらい。
だからいずれ終わりがやって来て、新たな恋愛を始める自分の肥やしになるだなんて考えてもいなかったんだ。
こういう気持ちを経験したことのある人は、きっと少なくないんじゃないかな。
そんな当時、わたしの周りにはこんなことを言う大人がいた。
「若いねぇ。」
「どうせ結婚するわけじゃないから、そんなに悩まなくても大丈夫だよ。」
10代後半だった当時のわたしはその言葉が、すごくすごく引っかかっていた。
若いのも未熟なのも確かだけど、真剣なのに。
まるでおままごとをしていると言われているような、そんな気分だった。
だけど大人になった今思えば、周りの大人が言いたかった意味を理解することはできる。
初恋まではいかなくとも、10代の時の恋人と付き合い続けて結婚する人は、多くはないだろうから。
あまりにも真剣に悩んでいる姿を見たら、「そんなに悩まなくても、何回だって恋愛はできるよ。」と声をかけたくなるかもしれない。
でも、わたしは当時、未来の自分に誓ったことがある。
「今の自分より若く未熟に見える恋愛を、笑う大人にはならないでほしい。」
経験したからこそわかる思いがあるのは確かで、自分の通った道だからこそ幼く見えるのかもしれない。
だけど未熟でも幼くても、その時真剣だったのは事実なのだ。
わたしは絶対に、それを忘れた大人にはなりたくなかった。
「ずっと一緒にいようね。」
そう約束した人たちとは連絡もしなければ、今どうしているのかもよく知らない。
その言葉は結果的に、守られなかったことになる。
だけどそれは、嘘でもなければ若気の至りなんかでもない。
その時その恋愛を、一生懸命紡いでいたわたしの、本当の気持ちなんだと思う。
その本当の気持ちを、「若い」で片付ける大人にはならないぞ!と、大人になった今改めて心に刻むことにした。
むしろ10代でも20代でも30代でも、初恋でも10回目の恋でも、そんなことは関係ない。
1回1回の恋に「今度こそは!」と思えるまっすぐな想いを、大切にしてほしい。
わたしは何歳になっても、何回恋愛をしたとしても、そんな風に言える大人でありたいな。
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