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 ペロ。
もう一回口の中に。
よし、入った!
ポロリ。
猫の口に薬の錠剤を、放り込む。しかし舌で押し出される。
餌のカリカリの中に入れても、薬は食べてくれない。
何度か私が猫の口に入れて、それなりに飲み込んでくれたが、一週間目くらいになると、猫も分かっている。口に入れられたものは器用に舌で押し退けることを習得してくる。前足も使い、後ろ足で蹴りも加わった。
針のない注射器で液体の薬の時は、口の中に注入したが効きが足りなかったので錠剤にしてもらった。
 猫に上を向いてもらい、口の横からホイッと薬を入れる。するとぱくぱくと飲み込んで、あれ?今何入れたの?みたいな顔をする時もある。
 捕まえて、抱っこしたものの、錠剤を袋から取り出していなかったことに私は気づき、慌てて袋から錠剤を取り出そうとするが、猫もヤバイと思ってすり抜けようとする。それで私は手を離してしまうと、元気になった猫は、もう追いかけるのに苦労する。なのでこちらも手を離さない。お互いの根性が試される。
「治っても。薬は、飲みきってくださいね」と、獣医さんから言われている。
あー、あと一週間、朝晩の格闘が続く。

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