耀綺 夜空(かがやきよぞら)

🛍️真っ白な何もないところに文章を綴り表現する。そうやって情景が浮かび、共感をどれだけし…

耀綺 夜空(かがやきよぞら)

🛍️真っ白な何もないところに文章を綴り表現する。そうやって情景が浮かび、共感をどれだけしていただけるだろうか。 そしてみなさんの文章を読むと、時間を忘れるくらいに楽しいです!

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【小説】月が見えますかvol.3

 シャワーを浴びて、一息ついてスマホを見た後に、タバコを吸った。  そんな時、ソファの上に置いたスマホが少し振動した。  梶木翔馬は、スマホの画面を開いた。 「horse woodさん、はじめまして。 コメントありがとうございます。 そうですね、女性の主人公もそうですが、好きになってしまった男性も繊細で優しいが故にという思いがありますね」と、コメントの返事が届いた。 horse woodは、梶木のユーザーネームだ。  モフールンというそのユーザーネームから届いたコメントの返事

    • 2024.6.17

      仕事を終え、うちの猫に餌のカリカリを猫用のお皿に入れると、私は、モスバーガーをテイクアウトしに車を走らせた。  曇り空から雨が少し降り出した。大雨にならないうちに帰りたいなと思いながら店に入った。  しまった、ドライブスルーにすればよかった。別の場所にもモスバーガーの店はあるが、ビルの中なのでドライブスルーがない。ここの店は最近オープンしたので店内が綺麗でオシャレでつい、店内に入ってしまった。  テイクアウトして、車に戻ると大粒の雨が降り出してきた。もうそろそろ梅雨入りなの

      • 年配の方が私や周りの人に飴をくれた。ニッキの飴でセロファンで包んである物なので、そのまま鞄に入れるのも何処かに置いとくのもどうかと思い、2個とも包みを取って口の中に入れた。ニッキはあまり得意ではない、口の中がピリピリしてきた。やっと解けて口の中で消えた。1時間もかかった。

        • 西陽

           学校から帰って来ると、すぐにテレビをつけてずっと観ていた。  ぼちぼち宿題をしなきゃ。そう思って2階へ上がる途中、キッチンに立つ母の歌声が聞こえた。私は知らないが、母の生まれ故郷の民謡のようだ。  そんな歌を歌っている母の姿を、途中階段を登っていた私は階段を降りて眺めて見てみると、黄金に輝いていた。塵さえもキラキラしていた。  その光景に母の作る夕食の香りが立ち込める。  だから西陽が好きなのかもしれない。西陽は家具を傷めるし、眩しすぎて夏は暑ずぎるけどね。そう思いながら

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        【小説】月が見えますかvol.3

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        • 三都メリー物語
          23本
        • 『綺麗に並べるということ』
          5本
        • 相手のことを知ると言うこと
          11本
        • 『私の時間』
          16本
        • 『あのこたちは、どこに』
          18本

        記事

          2024.6.9

           土曜日、朝7時に目が覚めました。 朝食にウインナー、卵、チーズ、レタス、トマトを焼いた食パンで挟んで、それを外で食べました。晴天でカラッとした朝の空気が気持ちが良かったです。数種類の鳥の鳴き声がして、休日の朝に最も相応しい朝という感じでした。  そのが後、洗濯、掃除をしてピアノ(まだ、独学でバイエルですけど)の練習して、電車で一駅の街に出掛けました。  駅に着くと改札口に向かうエスカレーターで私の前に立っている女性がフェミニンでカジュアルで、とてもおしゃれに着こなしているの

          2024.6.6

           私は、何に向かって生きているんだろう。途中起きてからなかなか寝付けなくて、ほんの少し寝れた。  そして、夢を見た。小学生みんなが元気よくドッチボールとダンスをしている。自分は学校を休んでいる間にレギュラーから外されて、ベンチから見ているだけ。  みんなが元気に動きまわってレギュラーになっているのが羨ましい。  おまけに自分は、コンタクトレンズさえ失くしてしまっている。落ち込んでいる前を可愛い低学年の男の子が、グランドの柵の端で少しニコッとしながらへたっていた。ぽっちゃり体型

          【ショートストーリー】ミッション

           やっと予約がとれた。  もうどれだけ足を運んでいないだろう。しかも何処にあるんだ?  ここ何日もネットでカットパーマで検索して、仕事終わりなのでもうすぐ終了時間と画面に出る、センス良すぎるところは落ち着かないしで、やっと見つけてネット予約もあったが、初めての来店なので斉藤モカは、[電話]の表示に指で触れた。  電話のベルが、3回ほどしてから店の女性が出て店名を言った。 「あのー、予約をしたいと思いまして。パーマなんですけど。そちらのお店は初めてなんですが、◯月◯日って空いて

          【ショートストーリー】ミッション

          2024.5.31

           身体を動かした時に脇腹に少し痛みがある。  あの時のか。  今使っているスマホは、机の上で寝る時は充電する。もう一つの目覚まし用の以前のスマホは、ベッドの枕元に置くけれど、その日は同じく机の上に置いていた。  そして目覚まし時計(湿度計と温度計付きの)この目覚まし時計少し幅をとるので、これもベッドの枕元から机に移動した。  この日は、前日から早く寝て充分睡眠をとった朝だった。  目覚ましの音が鳴ったのが、湿度計の付いた目覚まし時計だった。完全に夢の中だった私は、そのまま音を

          【ショートストーリー】蕎麦屋のまかない

          定時に終わり、自宅に着くと鞄の中にあるスマホが振動している。  画面を開くと、涼平からだ。加奈子の今の仕事に就く前に倉庫でステーショナリーのピッキングのアルバイトをしていた時の友達だ。涼平は、今もそこでアルバイトをしている。 「腹減ったから、今から何処か食べに行こうよ。今日、バイトが早く終わったからさ」相変わらず、元気で明るい声だ。 「うん、わかった。じゃあ、車で拾うよ。いつもの場所でいい?」 「うん。待ってるから」  雨は、先ほどまで降っていたのにやんでいた。そのかわり午

          【ショートストーリー】蕎麦屋のまかない

          2024.5.25

           晴れ、風が心地いい。 電車に乗って京都へ行くことにした。本も鞄に入れて。  電車の改札口を通って、階段をのぼりホームで電車を待つ。まだ電車が来るには時間があった。自分がホームに立つ前に既に一人の女性が立っていて、白いロングスカートにパステルカラーのニットで春らしい素敵な装いだった。京都へ行くのに歩きやすいスニーカーで出掛ける服装の私は、なんとなくその人から遠ざかって電車を待とうと思った。  すると、 「あら、久しぶりね」と、その女性に話しかけられた。なんだ同じマンションの人

          2024.5.23

           「昼休憩は、いつもの時間の30分早い時間にみんなとるように」そう、上司が言った。こんなことは滅多にない。相当な意気込みだ。  今日から新しく始まるものが、昼に取り掛かり、15時30分迄には納期なのだ。  食堂では、それに取り組む者だけが食事をしている。なので、何だか静かで妙に落ち着かない。そんな思いを抱きながら休憩が終わり、朝からその件の個々の担当と時間の割り振りのリストが上がっていたので、みんなその通りに行動した。  普段一緒に仕事をしない部署からも応援に来て手伝ってもら

          2024.5.21

           美容院を探してこの辺りに来た。車のフロントガラス越しから西陽が眩しい。  ここのスーパーマーケットの近くだったはずだ。平面駐車場は満車だったので屋上へ上がったのだ。  車を降りて、スーパーマーケットに通ずるエレベーターと階段がある。階段から降りると、懐かしい光景が以前の頃の景色と重なった。でも、その壁の装飾は今では剥がれているところが、多くあった。それは長い年数が経ってしまった事を意味しているのだろうか。それとも経営が芳しくない事を意味しているのだろうか。  スーパーマーケ

          【ショートストーリー】鶯の鳴き声

           車から降りると、春だというのに上着が必要なくらい冷たい風が吹いていた。  近くで鶯が鳴いているが、お馴染みのような鳴き方になっていなかった。それでもまた、鳴いている。    会社の入り口で、社員カードを壁のある部分に添えると、入り口が開いて浜坂マミは入った。  女性ロッカーで白いズボン、白いシャツ、上に白衣、頭にネットを被ってエアー室を通って、作業室に入ると、もう既に3年先輩の女性の上原さんが、仕事に使う資材や機材などを並べてくれていた。大概そうなのだ。そして、この日の出荷

          【ショートストーリー】鶯の鳴き声

          2024.5.8

          ようやく新しいベッドにも慣れて、眠れるようになった。ベッドへ潜り込むと幸せな気持ちになる。そのせいか最近色んな人に出会い、行動的に生活している夢をみる。なので以前の自分じゃない朝をすごしている気がする。  部屋は、とても静かで、時々遠くの線路から電車の音がかすかに聞こえる。外に出ると、電車を眺めることができる。  ある日、こんな時があった。スマホが振動した。 「外に出てみて」知り合いからの通話だ。 「なに?」 「いいから、早く」 「もうすぐ珍しい電車が走るから」 数分後、その

          2024.5.5

           いい天気。  湿度もなく空気が、カラッとして調度いい気温。鳥たちも寒かった冬にはなかなか餌となるものが 無かったのだろう、今は鳴き声とともに大忙しで草地や大空を飛びまわっている姿を見掛ける。    朝、トーストにいちごジャムを塗って、アイスコーヒーをいただく。飲むと氷の音がする。もう、そんな季節だ。  ところが窓から、音が聞こえる。 風の音。 「ぴゆー。ぴゆー」春一番は、もうとっくに過ぎたはず。これは、なんの意味の風なんだろう。  ベランダで先日植えたひ弱なトマトの苗と枝豆

          【ショートストーリー】お姉ちゃん

           春は蝶々を捕まえて、夏は虫網で蝉やバッタを捕まえて、秋はコオロギを捕まえて虫ケースに土を入れて玄関に置いてコオロギの音色を子供心に楽しんでいた。  近くに同じくらいの子供がいなかったから。  幼稚園に通いたかったのに、引っ越して来たのが4月も過ぎていて入園をのがしてしまったらしい。だから友達は自然に住む生き物たちだ。でもこちらが何をしても痛いだの、どうだ?とも、当たり前だけれど喋ってはくれない。  妹がほしかった。  たまに、日曜日になると母の妹が家に来ていた。 息子を連れ

          【ショートストーリー】お姉ちゃん