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【第13話】韓国料理とイタリアンだったら、どっちがいい?


2018年 9月10日のアーカイブ

中高6年間を、男子校で過ごした。その6年間、周りには、笑ってしまうくらい男しかいなかった。そんな男だらけの環境で、揉まれ続けた結果、考え方が世間とずれてくる。

高校生の頃、大学に入って校内で息をしていれば、彼女はできるもんだと思っていた。大学生になって、深呼吸をしても彼女はできないと知った。実際には、会話とかラインとか店選びとか、その他諸々を頑張らなければ、彼女をつくるのは難しかった。

そこで、大学に入ってすぐに仲良くなった、ある友達を恋愛のお手本にしようと考えた。その友達は、高身長、イケメン、お洒落、面白い、そして中高は共学だった。自分の中の、「共学で容姿端麗な人=頑張って喋る必要がないから、面白くない」という妬みの方程式が崩れ去った事は、少し悲しかったが、その友達には色々な事を教えてもらった。

ご飯屋さんでは、女の子に奥のソファー席を譲り、自分は手前の椅子に座る。下りのエスカレーターでは、自分が先にエスカレーターに乗る。道路では、車道側を率先して歩く。その時には、歩くペースをいつもよりゆっくりにする。

世間で常識とされている暗黙のルールを、その友達は、丁寧に教えてくれた。男子校には、そんな常識は伝わってきていなかった。陸の孤島だと思った。でも、そんなこんなで、大学に入って割とすぐ、彼女ができた。

この間、久しぶりにその友達と2人でご飯に行った。約束の日の前日、「韓国料理かイタリアンだったら、どっちがいい?」というラインが来た。「韓国料理!」と返した。ワクワクした。

韓国料理とイタリアン。こんなにワクワクする選択肢が他にあるだろうか?
しかも、大枠を決めてくれているが、自分も店選びに参加できている感じがする。
とてもいい。もう一度言うが、とても、ワクワクした。

約束の当日、駅の改札で待ち合わせた。何となく歩きながら、楽しくお喋りしていると、いつの間にか、韓国料理屋の目の前だった。魔法だ、と思った。その店の参鶏湯は、とても美味しかった。なんだかドキドキした。そりゃモテるわな!と思った。


2021年3月25日現在のコメント

先日、ある女の子とご飯に行く約束をした。約束の前日、「イタリアンとハンバーグだったら、どっちがいい?」と聞いた。

女の子からは「イタリアンハンバーグ!」と返事がきた。可愛い子だな、と思った。

その後、仲良くなって、その子の家に遊びに行く事になった。その日の前日、「明日さ、夜ご飯も一緒に作って食べようよ!パスタとカレーだったら、どっちがいい?」とラインがきた。

ワクワク、ドキドキした。その子の家で食べたクリームパスタは、とても、美味しかった。

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