かわいげのない孫、今も昔も。
「お小遣いくれるから」って理由で祖父母に会いに行く孫は、世間にまぁいると思う。
私も子供の頃「行っておいで、金くれるぞ」って言われて顔を出したこともあった。
でも、祖父母宅へ行くことに気乗りしなかったのは、子供ながらに顔色を伺って疲れるからであって、お金が発生するかどうかは別に関係なかった。
むしろ、大人からそうけしかけられて会いに行くことで、まるで自分がお金目的だけで祖父母に会いに行くみたいに感じて、そんなふうに言われれば言われるほど、かえって「行きたくない」と反発したくなった。
親、祖父母、親せき・・・
周りの大人が自分や弟にどういうふるまいを期待しているのかを察して、出来るだけその通りにしていた。どうすれば喜ぶか、逆にどうしたら不機嫌にさせたり怒らせるかもわかっていた。
「お小遣い」をエサにしてまで会いたいのか、と思うと、会いに行かない自分が薄情者に思えたし、でも、お小遣いをちらつかせられてから会いに行けば、祖父母からお金をむしり取るずる賢い人間に思えた。
だから、そういうときにどうするのが正解かわからなかった。
「会いに来てほしい」
「顔が見たい」
それならただそれだけを言ってほしかったし、
「会いに行ってあげたら喜ぶよ」
「顔を見せてあげなよ」
って、ただそういう言い方をしてほしかった。
確かに私は、子供っぽさを演じてる可愛げのない子供だったかもしれないけど、それでも、自分を大切に思ってくれている人に対する感謝の気持ちや思いやりは多少なりとも持っていた。
なのに、そこで「お小遣い」っていう口実を大人にでっちあげられることによって、そういう自分のちっぽけな優しさも、まるで最初から存在してないかのようになるのが悲しかった。
こういう経験があるせいなのか、人からの親切や好意にたいしても、ただ感謝するっていうことが苦手だったりする・・・
何かしてもらうことにたいして、「ありがとう」よりも「ごめんなさい」って気持ちが先に来る。
何かしてもらったら、自分も同じだけ、あるいはもらった分以上にお返ししないといけない・・・って、勝手に思い込む。
そんな考え方をしているから、人から親切にされると同時にストレスを感じてしまうこともある。私もしなきゃしなきゃ・・・って一人でいっぱいいっぱいになって。
誕生日を迎えて、34歳。
誰がどう聞いても、「いい大人」な年齢で、もっとわかりやすく言うと世間では「おばさん」と呼ばれる年齢だ。
そういうもんだと言えばそういうもんなのかもしれないけど、祖父は今でも私を10代か20代の子供みたいに思っていそうな感がある。
果たして、世間一般の30代女性は、祖父から誕生日祝いにおかねを振り込んでもらうなんてことがあるんだろうか・・・?
仮にそういう話をされたとして、
と、すんなりそれを受け入れるものなんだろうか・・・
母方の祖父にとって、私は初孫で、うぬぼれでなければ恐らく孫の中で一番溺愛されているのが私だ。
もちろん、他の兄弟にもそうやってお祝いしているとは思うけど・・・
それでも、さすがにこんな年齢で結婚までしている孫にたいしても、誕生日だからといってお祝いしてくれるというのは、申し訳なさしかない。
血のつながりがない祖母が、それについてどう感じているのかも少し気になってしまう・・・(正直良く思わないんじゃないかなと。)
でも、祖父の
みたいな気持ちを拒むのも、それはそれで冷たいんじゃないかって気もする。
人の、特に家族や親族の好意について、どこまで受け入れるべきで、どこからは遠慮すべきなのかがわからなくて、ちょっと悩む。
結婚祝いとか出産祝い、引っ越し祝いとか、年齢関係なくお祝いされるようなことなら、「ありがとう」って受け取りやすいものだけど・・・
30歳過ぎてからの誕生日、お祝いされたら当然嬉しいのは嬉しいけど、「お金をもらう」となるとなんかそこまでめでたいことではない気がするから。
「また会いに行くから」って話濁したり「気持ちだけで十分だよ!」って言っても、「口座番号教えて」と言われ、その連絡にどう返していいかわからずにいたら母に連絡が行って、「連絡欲しがってるよ」って言われたりして・・・
これはどうするのが正解なんだろう。。。
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