見出し画像

人間関係をあきらないために

昨日の仕事での話をします。

私は今、とあるコールセンターでオペレーターとして働いていて、お客様からのお問い合わせ対応やサービスの利用方法等についてご案内する仕事をしています。

対応中はマニュアルを見ながら自分で調べて案内することが主ですが、不安なことや知識不足なことがあれば一度通話を保留にして、先輩に相談して指示を仰ぐ(エスカレーション)こともよくあります。

今回の話は、そのエスカレーション時の私の”態度”と”その後に取った行動”、そしてその結果について振り返ります。


***


これはコールセンターに限ったことではないですが、お客様へ間違った案内はしない!ということは大前提ですよね。

私自身、問い合わせを受けた際には「確実な回答はこれしかない!」という場合別ですが、回答(提案)が複数ありそうな場合や、自分で判断がつかない場合には、その場ですぐに回答や断言をせず、一度保留にして調べたり、少しでも不安な場合は先輩へエスカレーションをします。

また、電話を受けていない空いた時間には、マニュアルの更新された箇所をチェックしたり、それまでのお客様対応の中でエスカレーションした内容の振り返り、メモにまとめておくなどして、今後の対応時に活かせるようにしています。


そんな中、昨日は少しハラハラした一幕がありました。


そのお客様からの問い合わせは、初めの話からどんどん別の方向へ変わっていき、その度に質問が飛んできて、こちらが回答するたびに「本当にそれで間違いない?」と念押しされるといった感じでした。

こういうタイプのお客様の場合、断言できる部分はしっかり断言しないと、かえって不安を与えてしまいますし、ほんの少しでも間違いがあるとクレームにもつながりかねないため、とても緊張します。

(もちろん、これはどんなお客様にたいしても言えることですが、取り返しのつかない事態になりやすい、そういうリスクがあるという意味で・・・)


そのため、「これはこの回答で合っているだろう」とは思いながらも、念には念を!ということで私はエスカレーションをして先輩へ相談したのです。

2度ほど保留にして、それぞれ別の先輩に指示をいただき、なんとか電話対応は終了しました。(トータル30分ほどの通話時間でした)


終始緊張するひとときを終え、最終的にはお客様の要望に沿った提案もでき、無事何事もなかったことに私は安堵しました。

先輩たちからも「よくやりきったね!」と労いの言葉をかけてもらって、私もお礼を述べ、そのときは達成感?安心感?でいっぱいでした。


が、その後休憩に入ったタイミングで、そのときのことを一人で振り返り、急に不安になりました。


(あのとき、私先輩たちにたいしてすごい嫌な感じ出してたんじゃ・・・)

(不安とか焦りから、ピリピリした空気とか神経質な感じとか、いつもの自分の良くないとこ出ちゃってたんじゃないだろうか)

(お客様がどうというよりむしろ、私自身が”神経質な人間”として、先輩たちの目には映っていたんじゃないか・・・)


そんな風に、エスカレーション時の自分の態度を思い浮かべて、罪悪感がふつふつとこみ上げてきたんです。

先輩といっても、二人とも私より2~3歳年下の女性です。

それでなくとも、もしかしたら年上の私にたいして遠慮したり気を遣ったりしているかもしれないのに、ましてや私がもしそんな空気を態度に出してしまっていたら・・・


そう思うと居ても立っても居られなくなりました。


そして休憩から戻ってしばらくしてから、別件でその二人の先輩が私の席へやってきた際、私は切り出しました。

「お二人に謝らなければいけないことがあります…!」

そして、先ほど書いた通りの自分の気持ちを二人に伝えて、自分の態度がまずかったことを謝りました。


・・・が、なんと、二人とも、私の話を聞きながら目を丸くして、

「え?何のこと!?」
「考えすぎー!w」
「ぜんっぜん気にならなかったし、なんならもっとやばい人いっぱいいるから!w」
「そんなんで○○さんのこと嫌いにならないよ!」

みたいに、めちゃめちゃフォローしてくれました。

そのときの自分がテンパりすぎていて、正確にどんなことを言ってくれていたかあまり覚えていないのですが、上記のような言葉をひたすら言って笑い飛ばしてくれました。

それを聞いて私は、驚きと安心と照れと色んな気持ちで頭に血がのぼって顔が真っ赤になり、なんだか涙が出そうになりました。


自分の意思で発する”言葉”とは違って、”態度”や”表情”って、その場に鏡を置いたり撮影でもしていない限り、客観的に見ることはできません。

先輩たちがフォローしてくれたように、本当に、他人から見て全く問題のない”いつも通りの私”だったのかもしれません。

あるいは、私が心配していたような、夫など本当に身近な人にたいしてだけ、心に余裕がなくなったときに出てしまう、”神経質でピリピリした自分”が出てしまっていた可能性もあります。

ほんとのところはどうだったのか、わかりません。


でも、だからこそ、私は「(突然変なことを言い出してびっくりさせたかもしれないけど)謝ってよかった」って思いました。


相手が何も感じていなかったとしても、自分の中に生じた罪悪感やモヤモヤをそのままにしておけば、必ずその後のコミュニケーションに影響してきます。

それがだんだん、その人と接するときに気まずさや後ろめたさを感じる原因になったり、「嫌われているんじゃないか」という不安や恐怖に変わって、せっかくそれまで近づけていった距離感からまた遠ざかり、むしろ初対面のときよりも離れた距離で関わることしかできなくなることだってありえます。

私は今の職場がとても好きです。

仕事内容や環境面、待遇ももちろんそうなのですが、何より一緒に働いている方が話していてとても楽しくて、優しくて、自分を歓迎して受け入れてくれるような、ネガティブなことを考えずに済むような温かい空気感が居心地がいいんです。

同僚の方とも先輩の方とも、良好な関係を築いて、自分の努力をもってそれを維持していけたら・・・と思っています。


だから余計、昨日のできごとは私にとって、ものすごく大きな心配のタネとなっていたんです。


今までの私だったら、こういう失敗をしたとき、あきらめていたと思います。

もちろん、自分の無礼について謝ることはしたかもしれませんが、

(ああ、またやっちゃったな・・・)
(きっと嫌われたちゃっただろうな)

そんな風に一人でどんどんマイナス方向に考えて、自分から少しずつ距離を取り、関わりを薄くしてフェードアウトしていったと思います。

それに謝るといっても、昨日のように自分の正直な気持ちを打ち明けて・・・と言う感じではなく、もっと表面的な、その場しのぎ的な謝り方をしていたと思います。


自分がコミュニケーションで失敗した時点で、もうその人との関係は「修復不可能」だと決めつけて、その後の可能性をあきらめる(切り捨てる)。

私はそういう風に今まで生きてきました。

だから、長く続く交友関係って本当にほとんどなくて・・・

変にプライドが高いので、自分から謝ることも苦手というめんどくささも相まってなおさらです。


昨日私が取った行動は、他の人からすれば、「できて当たり前のこと」「社会人として当然(最低レベル)」なことだと思います。

失礼なことをしたり、相手に嫌な思いをさせてしまったのなら、(その可能性が1%でも考えられるならそれも含めて)自分から誠意をこめて謝る。


そういう、人として当たり前なことが、やっと少しできるようになってきました。

「え!?」って反応をされて、(あれ?やっぱり私おかしいのかな・・・)と逆に不安になったり恥ずかしくなったりもしましたが・・・

それでも、”自分が自分を納得させられる行動”をとったことで、それまでとそれからの間にしっかり線引きをすることができ、その後のやり取りでは「気まずさ」を引きずらず楽しむことができました。


私は、人と長く付き合う方法とかコツって全然わからなくて、「私はそういうのに向いてないんだ」「広く浅く、その時々で軽く付き合うのが向いているタイプなんだ」みたいに自分を捉えていました。

でも、今回のできごとによって、改めて、「感謝」を伝えるのと同じくらい、もしかしたらそれ以上、「謝る」って大切なことなんだと気づけました。


自分が「悪い」と自覚できているときこそ、「言っても仕方ないかな」「もうどうしようもないかな」とかあれこれ言い訳をして、自分の良くない部分から目を背けたり、相手と向き合うことから逃げようとしてしまいがちです。

そんなときこそ、勇気を出して、「ごめんね」をしっかり伝えるべきなんですね。


長い付き合いの友達が多い人、恋人や夫婦関係がず~っと良好な人達は、きっとそういうところを普段から大切にされているんだと思います。

「ありがとう」「ごめんね」をちゃんと言える大人になりたいです。


今回それができたのは、私自身がどうこうというよりも、今の職場の方々のおかげです。

「この人達とこれからも一緒に働いていきたい!」
「この職場で少しでも長く働きたい!」

そんな風に、これから先の”長い付き合い”を私が本心から望めているからこそ、これまでの「その場しのぎ」とは違う歩み寄りが出来たんだと思います。


職場だけでなく、夫にたいしても、今私に関わってくださっている方々にたいしても、一つ一つのご縁を大切にしたいです。

伝えることはめちゃめちゃ下手なのですが、せめて「ありがとう」と「ごめんなさい」だけでもちゃんと心から自分の言葉で伝えて。


一度の失敗であきらめない。決めつけない。

謝ることが、もしかしたら自分の気持ちの押し付けになってしまうこともあるかもしれないから、伝え方もすごく難しいけど・・・

それでも、その相手とその後どうしていきたいのかをちゃんと考える。


というわけで、まだまだ一人前の大人になる道を模索中の私ですが・・・

とにかく、謝ってよかった!

そんな話でした。


最後までお読みいただきありがとうございました!

また次回の記事でおあいしましょう!(*´ω`)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?