X短歌の纏めvol.3
1.2の続き、10月の締めです。
1. なにゆえに三十一文字で詠うのか 解らぬままに七五を刻む
2. くちびるが触れるたびごと
わが背《せな》を這い上がるもの 分からぬままに
3. いまここであなたのことを思いつつ
今はひとりで月を見ている
4. いつだって掛け違っちゃうのよ ひとつだけ
あなたの心とよく似たボタン
5. 始まらず終わってしまう 箱の中いつも二つに 折れるポッキー
6. 一息に100メートルを駆け抜けよ
思い出たちを追い越すために
7. 気が付けば崩れ壊れて無くなった あなたを隔てる分厚い壁が
8 思い上げ思いが降りて来るまでは 待つしかなくて流れない時
9. 置いてきた夏の気配がかさこそと音立て道に降り積む落葉
10. ランタンに灯した炎が揺らめいてあなたと私の秋が深まる
11.押し寄せる波の如くに埋め尽くす澱の思いを如何に洗わむ
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