あらためて、『アフリカ』とは何だろう[後編の後編]
ぼくたちの雑誌『アフリカ』の特徴とは、ようするに、"テーマ"がない、ということではないか、という気が最近している。ここまで何もない雑誌は、なかなかないよ。なぜか。つくりにくい(と思っている人が多い)からだ。おまけに、売りにくい。読みにくいからではなくて。
では、"同人"がいて、つまり同じメンバーで書いているのかというと、そういう部分もあるにはあるが、そういう雑誌なら、10年前に終わっていただろう。メンバーがガラッと変わって平然と続くことはないはずだ(全く違う雑誌になる)。しかしこの雑誌は、書き手の誰がいなければありえないということもないのである。
『アフリカ』には編集人であるぼくも書いているが、もし自分が書かなくなっても『アフリカ』は生き続けるだろう。
不思議なものだなぁ。
しかし、だからと言って、ぼくの書くものがどうでもいい、ということにはならない。ここが、難しい。
書き手の誰がいなければありえないということはないが、書かれるものがどうでもいいということにはならない。
それに、簡単な図式で説明できるほどヤワではないのであって、「わかった」と思ったらわかってないということになる。
ぼくが信じている唯一のものがあって、それは、ひっそりと感じられる『アフリカ』の読者の存在だ。
ぼくも『アフリカ』の愛読者の1人なので、彼らの存在は嫌でも感じられる。
前は読んでいたけれど、いまは読んでないとか、最近知って読み始めたとか、いろんな人がいるだろうけれど、いまぼくが言っている"読者"は、何というか、そういう人たちを仄かなあかりで包み込むような存在だ。
ぼくは誰よりも自分が読みたい雑誌をつくっている。その"自分"というのは、普段感じているよりも、もう少しひろがりのあるものだ。
これからも、そこのところでは嘘をつかないようにしよう。
以上は編集人としての(いま現在の)ぼくの捉え方であって、読者にはユニークな読み方をしている人たちがイロイロいて、読んでいるだけじゃなくて出てきて喋って(書いて)ほしいような気が常日頃しているんですが、でも、ひっそり読んでいるのもいいなぁと思うし、んー。
さ、次をやりますよ。
(つづく)
「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"、1日めくって、3月20日。今日は、『恐竜たんけん図鑑』と『冒険図鑑』の話。※毎日だいたい朝に更新しています。
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