星の王子さま

『星の王子さま』サン=テグジュペリ (著), ドリアン助川 (翻訳) 皓星社 発売日:2016/12/3 を読みました。

本が好きなのに、有名なのに、読まないままでいる本って、私は意外と沢山あります。

同じ100冊本を読むというのでも、人によって選ぶ100冊は全然違うだろうし、その人が何歳で、どういう考えを持っていて、なにが好きで嫌いで、そういうことからも全然違ってしまうから、同じ人でも人生のある時点で選ぶ100冊はやっぱり全然違うはず。
そう思うとなんだかとっても面白いです。
星の王子さまは、私にとって、そんな、読み損ねてきた本の一つでした。
それで図書館で探して借りてみたら、翻訳が「ドリアン助川」とあり、びっくり。
ドリアン助川さんといえば、私が学生だった頃あたり、叫ぶ詩人の会のバンドの人で、人生相談をしている人でした。
そういえば今どうされているのかしら?と思って調べてみたら、私が知っていた人生相談の後、バンドを辞めてニューヨークに渡り、そして帰ってきて大学の先生になっていて、本を沢山買いていて。フランス語の勉強は49歳からされているとのこと。
なんだか颯爽と人生を生きていらっしゃるなあと、胸をすくような気持ちになりました。


さて、肝心の星の王子さまですが、こちらも素晴らしい本でした。大切にしたい言葉や考えが散りばめられています。

たいせつなものは目にみえない。

遠い星から来た王子さまは、大切なことをたくさん教えてくれます。

語り口は優しいですが、王子さまに、人生で本当に大切なものはなにかと問い詰められ、見つめられているような気持ちになりました。

以下抜粋です。

もしきみとボクが心を寄せ合えば、ボクたちはお互いがたいせつなお互いどうしになる。
きみはボクにとって、この世でただ一人の特別な男の子になるんだ。
ボクはきみにとって、この世でただ一匹の特別なキツネになるんだ。

ボクがきみになついて心を寄せたとき、素晴らしいことが起こる!
金色の麦を見ると、ボクはきみを思い出すようになるんだ。
そして麦畑を吹き渡る風がお気に入りになる。


もう一度、庭のバラを見にいきなよ。
きみの花がこの世に一輪しかないということがわかるから。


サン=テグジュペリは飛行機に乗りながら何冊も本を書いた人で、自身の体験をもとに本を書かれているということでしたが、戦争の時に戦闘機に乗り死と隣り合わせの人生だったことによって、彼は、人生とは、友情とは、愛とはなにかと深く考えていたのだろうなと思いました。

ドリアン助川さんによるあとがきも、とても良かったです。
思わぬおまけつきの「星の王子さま」でした。


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