最近の記事

9月16日の詩

「また会う きっと会う」 そんな夢をみた 脇腹にホクロが3つある男 記憶 希望 夢にも 入口がある その梯子は 夢の入口と 現を繋ぐ 夢の中で旅をする 石畳の続く遠く あの懐かしい異国 ぼくの横には 6月の杏のような声の 娘 公園の草枕で そんな夢を見た 残夢が 優しい色の雲に溶けた #詩 ※ Xの9月16日のかずのけんさんの絵に、詩を書かせて頂きました

    • 9月13日の詩

      右から満ちて 右から欠ける 立待月か 月夜の語らい 藍色の夜に 青い月 moonlit 月の明かりに 照らされて vigil それはまるで祈りにも似て 風は 蕭瑟  琴を鳴らして 蓬の葉が揺れる 釣り鐘花を空に向け 竜胆は 「あなたの悲しみに寄り添います」と 振り返れば 月は 有明と成りゆく #詩 ※この詩はXで9月13日のかずのけんさんの絵に詩を書かせて貰った物です

      • 9月11日の詩

        遠くに二日月 月夜の道 夜露に輝く露華たちが 道案内 桔梗の花も灯りを燈す そよそよと風が吹き 虫の音も響く 大丈夫 日に日に月は満ちていき 心にも希望が満ちていく 月は「ささ」と囁いて 月のうさぎも手招きを 遠くで鹿の声がした 「恋しよ 恋しよ」と #詩 ※ 9月11日のXのかずのけんさんの絵に詩を書かせて貰ったものです

        • 9月4日の詩

          森へ行こう きみと行こう 木霊が呼んでいる 川の流れに 葉っぱが浮かび 水面が揺れて 森の楽譜になる ぼくらは木霊のように その音を繰り返す 森の楽譜になぞらえて さわさわさわ 風が吹き抜ける 心の耳でしか聴こえない 音がある 心を澄まして 遠くの空に カハハン 雁が鳴いて秋が来た ※9月4日のXの、かずのけんさんの絵に詩を書かせて貰ったものです

        9月16日の詩

          夏の夜

          遥か昔 3つあった太陽の 1つが落ちて 湖を作った その場所は 彼岸の人と 遭える場所 夏の夜 夕星を見つけた お盆の日 湖が黄金色に 輝いたら 会いたい人を 呼んでみて 明けの明星が 現れる前に 聞きたかったことを 抱きしめたかった人と 明日の朝 きっと ここには 事無草が生えている ※ 2024年8月14日のXのかずのけんさんの絵にインスパイアされて書いた詩です

          夜明け前

          ポラリスを目印に 走り続けてきた 色んなものを 手放しながら 夜明け前 あたりはまだ暗い それでも 明るい日‥明日は必ずやってくる 峠は超えた   やがて鳥が鳴き 草木も目覚め 朝露が煌めく朝が来る 心の宇宙に 星を持ち 綺羅となれ 大丈夫 道はまっすぐ 希望の明日へと つながっている #散文 ※ 2024年5月6日に、Xのかずのけんさんという方の絵を見て浮かんだ言葉たちです

          夜明け前

          あめあがり

          ざんざ降りが終わる ざんざ ざんざ 全てを封じ込めるように 降り続いた 少しずつ ぼちぼち雨に変わる 道も森も青から緑へ 息づく 浄化の雨が上がった 空に常世の国の 桃のような光 風がさやさやと吹く 遠くで 潮騒が聞こえた気がした 天女の薄桃色の忘れ物を見つけた 雨上がりの道 🖊 この詩はXのかずのけんさんの絵にインスパイアされて書いた物です

          あめあがり

          母とアイロン台

          私が大学に合格した時、母からのお祝いがアイロン台だった。 大学に通うために借りたアパートは、お風呂無し、共同トイレ、四畳半の畳に小さな流しが付いていた。それで充分だった。 同級の女の子の中には、親御さんが心配して、家賃10万位の所に住んでいる子も何人かいたけれど。 当時の一ヶ月の家賃と変わらない1万5000円程もした立派なアイロン台だけが、その小さなアパートの部屋で不釣り合いに目立っていた。 しっかりとした脚の付いた折りたたみ式で、シャツ等の襟に綺麗にアイロン掛けが出来

          母とアイロン台

          切望

          それは天使なのか 神様なのか 男でも女でもなく 大人でも子供でもない 光のかたまりみたいな 希望のかたまりみたいな そして声が聞こえた ひとりで今日まで よく頑張りましたね もう安心して もう泣かないで あなたは自分のことだけ考えていいんです あなたは健康になることだけを 考えましょう あなたが望む 手助けをしてくれるリハビリの先生と 整体の先生と なんなら腕の良い錬金術師も ここへすぐ呼びましょう あとは何が欲しいですか? もう一人で頑張らなくていいん

          ぼくはまだ アレにサインはしていない

          いつから そんなに色っぽい目を するようになった? 女の子が 「神だか人間だか分からないけど大好きだ」と言った 爺さんが 「葬式にはきみの歌を」と 言った 通りすがりの婆さんは ぼくの魂を見透かすように 「玄人が好む顔になってきた」と 嫌味を言った 大丈夫… ぼくはまだ アレにサインはしていない

          ぼくはまだ アレにサインはしていない

          『そう…僕は死ななかった』

          ━━ 今もしも アナタが 生きていたら  聞いてみたい 「輪廻転生」今でも 信じてますか? ━━━━ そう ぼくはあの日 死ななかった 運び出された棺は空で その代わりに お決まりのストーリーの 賞取りレースを投げ捨てて 壁の向こうのカプセルに 乗り込んだ 時を超えている間 顔も声も肉体も 全て脱ぎ捨て 僕は… 僕は女になった 六月の杏のような 聡子の声も手に入れた お母様が 紅い紅いルージュをつけて 嬉しそうに微笑む 「あの子は今やっと 初めて 自分でやりた

          『そう…僕は死ななかった』

          今日の俳句

          秋分や「おはぎあります」はためいて 季語 秋分

          今日の俳句

          不思議体験

           先週、発熱した。 その日の朝、LINEのお知らせにある人のアイコンが出て 「朝つゆさん…」と文字までしっかり見えた。 でもすぐに消えて、どこを探しても見つからないし、LINE自体届いていなかった。 アイコンの方に聞いても、え?LINE??となんの事やらと言う感じ。 そのまま、その日は39度近くまで熱が上がり、なかなか下がらず3日ほど寝込んでしまった。 昨年、7月末に緊急入院した。 救急車で運ばれた病院は初めて行く病院でそのまま入院、手術となったのだけれど。 着いてすぐに

          不思議体験

          桜桃忌

          昨日、6月19日は桜桃忌だった。 窓の外の、どんよりと重たく暗い梅雨空を見ていたら、17歳の自分に戻っていくようだった。 半袖の開襟シャツにプリーツスカートの制服、ソックス。 三つ編みの髪。 3階の教室の窓からは、重たく暗い梅雨空が見えていた。 理系のクラスの黒板の六月十九日〇曜日の横に、現国の先生の字で「桜桃忌」と書いてある。 暗い息の詰まる教室の中で、何故かそこだけ、ほんのりと艶めいていた気がした。 太宰治を知らなくて、宮沢賢治の銀河鉄道の夜を読まなくても、数Ⅲ

          桜桃忌

          【今日の短歌】

          くるくると日傘をまわし六月の 恋には早い海辺をあるく

          【今日の短歌】

          「シンデレラ記念日」

          お昼にLINEが来て 待ち合わせ場所を決めた 夕方2人で表参道の交差点を渡った 帰りますと六本木でSuicaを取り出す私をタクシーに乗せてくれた 開けた窓から どんどん街の灯りが遠くなり 白い白いお月様が どこまでも付いてきた 6月6日はシンデレラの日となった 私は始まる恋だと思った 彼は今日が最後と決めていた

          「シンデレラ記念日」