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#33「越えられない壁」

昔出来なかったことが、気がついたら出来るようになっていたと感じることが最近特に多い。そんな時に恐ろしいのは、"過去出来なかった自分の存在"を無意識のうちに記憶から消し去ろうとしてしまうことだ。私は出来なかった過去や経験を心の奥底に閉じ込めようとする傾向がある。自分自身はそれでいいのかもしれないが、それを次の代に伝える時に苦労をする。できない相手の気持ちに寄り添ってあげれなくなるからだ。

「小さいことを積み重ねる事が、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」

イチロー

私はこのイチロー選手の名言が大好きだ。高校生の頃に本屋で購入した手のひらサイズの名言集。ほとんどのページに付箋やマーカーが引かれているなかでも特に何度も見返し、今でもふとした時に思い出す言葉の一つだ。

さて、私も気がつけば25の年を迎え、会社やサッカークラブの中でも中堅層にあたる存在となってきた。そこで発生するのが後輩への指導、教育だ。私は教えるとか指導という言葉が好きではない。私自身の経験から後輩たちに伝えられることはあるのかもしれないけれど、自分の中では教えているという意識はなくて、「共有している」「共に学んでいる」という感覚の方が強いし、そう思うように意識している。なぜなら、教えられるのが嫌いだから。

賛否両論あると思うが、私は世の中のことに正解も不正解もないと思っていて、あたかもそれが正しくてそうしろと相手になかば強要するようなことを言いたくない。もちろん人間だから無意識に行動してしまうことはあるが、自分がされて嫌だと思うことは相手にもしないということを心掛けている。

では、どうやって後輩メンバーと接していくのがいいのか。これはものすごく難しい。何故なら人によってハマる・ハマらないがあるから。そう思った時、一人の人間として唯一無二の相手そのものと向き合っていくしかないなと思うのだ。よく言う言葉では、「相手を知る」とか、「理解する」にあたるだろう。そしてもう一つ、私が大切だと思っているのは、自ら姿勢で示すことだ。

別にこのnoteも誰かに自慢したり、すごいねと言ってほしいから継続しているわけではなくて、自らの振り返りやアウトプットの機会として行っている。その根底には、他の誰よりもアウトプット量を増やして、一日一日を価値のある濃い経験としたい、新しく初々しいメンバーや若手メンバーの成長率に負けたくないという思いがあるのだと思う。彼らが成長するなら自分はもっとその先にいきたい。

何年か前に、ニュースZEROでミスチル桜井さんと、嵐の櫻井翔さんが対談をしていた際の言葉が印象的だ。「後輩たちに伝えたいこと」というテーマにおいて、嵐の櫻井さんはこのように答えた。

「後輩たちに色々伝えたい、色んなものを感じてもらいたい、嵐を通じてって思う一方で、絶対に越えられない壁にもなっておきたいという矛盾した感情があるんです。」

ニュースZEROより櫻井翔さんのインタビュー

この感情は自分も大いに共感できる。私は私なりにどんどん成長していく、そんな姿勢が彼らにとって何かの刺激になればいいなと思うし、もしかしたらこのnoteも結果的にそんな存在になっていたら嬉しいなと思う、今日この頃である。

私はこれからも、越えられない壁になるために成長し続けていきたい。

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