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占いを見なくても大丈夫になった

過去や未来、人の思いや考えなど、見えないものについて考えるのが好きだ。
そのせいか、昔からおまじないや占いにハマり続けていた。
小学生の時には先生に当てられないおまじないをし、大学生の時には対面で不安な将来を占ってもらった。

一方、私の夫は非科学的なものはあまり信じない。
自分の体験をもとに実際に動き、予測を立てる。現実的な人間だ。

私は彼と出会って、恋愛に関する占いを見なくなった。見る必要がなくなった、と言う方が正しいかもしれない。
人は不確定で不安な物事にしか占いを求めないのだ。
しかし、それでもまだ仕事や健康に対して不安を抱き続けていた私は、占いを見続けた。

新しい仕事について一ヶ月が経った頃、転職を二度経験している私には珍しく「この仕事でとりあえず頑張ってみよう」と思えるようになった。
いつものルーティンで占いを見てみても、内容が響かなくなったのはこの頃からだ。
転職やフリーランスを勧めがちな占いを、見る必要がなくなったからだ。

そして自分の身体の不調に向き合っている今、健康に関する不安がなくなったとはまだ言い切れない。
つい一気に治るような明るい未来が欲しくて占いを頼りそうになるが、それは少し危うい思考回路なのではないかと思う。
なぜなら日記を書くうちに、試行錯誤しながらも長い目で見ると改善しているような物事が、生活には溢れかえっていることに気付いたからだ。

誰も離婚したくて結婚しないし、転職したくて就職しない。
「これであってるかわからないけど、信じてみよう」
そう思う方向に一歩踏み出してみる。その結果として長い結婚生活があり、続けられる仕事がある。
健康に関しても同じことが言えるのではないか。

占いというものはこの過程を飛ばして、美味しい未来を先取りして安心するようなことなのかもしれない。
勿論、それで今の気持ちが明るくなるというメリットはあるが、あくまでも一時的なものである。

これからは滑稽でも試行錯誤を繰り返し、信じてみたい方向に一歩踏み出してみようと思う。
さらに不安を占いで解決するのでなく、「わからない状態」を受け入れて、その状態を時に楽しみながら生きていきたい。

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