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魚の泳ぎ方

➦はじめに

ご挨拶と、第1話が想像より
沢山の方に見て頂き恐縮しています。
♡スキもありがとうございます。
楽しんで頂けるように、週に1、2回は
更新頑張ろうと思います。

➦第2話

「きんぎょさんだけが、私の
定規に当てはまらなくて……。」

小太りの女性が
神妙な面持ちで、話しを切り出した。
小学校の担任教師だ。

怒りを抑えつつ、笑顔で
お茶をすすめながら母は答えた。

「ご迷惑をお掛けしてますか?」

「勉強や授業態度は問題無いのですが
お友達と遊んだりが……。
1人で気味の悪い絵を書いたりして……。」





このやり取りは6年間
担任が変わる度に家庭訪問で行われた。

[何を考えているかわからない]
[こんな生徒ははじめて]
[愛想がない]
[クラスで浮いている]

私達にとってそれは
不本意で仕方ない報告だった。

教室で、静かにお気に入りの小説を読み
物語に出てきた魑魅魍魎の妄想を
ノートいっぱいに描いていただけなのに。

読書家の祖父が大好きだった。
沢山の物語が、本棚には詰まっていて
きんぎょを魅了していた。

母は、絵や創作が得意で
きんぎょのノートをいつも褒めてくれた。
48色豪華色鉛筆は宝物だった。

祖母や父は、きんぎょより
愛嬌が有り子供らしい妹を可愛がった。

それは、不本意ではなく当然だし
愛情を綺麗に分割して都合がいいと
感じていた。

大人は判ってくれないのではない。
わからない事が怖いから
自分の定規に無理矢理当てはめる。

その定規の寸法さえ見抜けば
たちまち手のひらを返して
可愛がってくれる。

きんぎょが、幼少から身に付けた
世渡り術は後の人生に
大きく影響を及ぼす事になった。

➦あとがき

きんぎょの幼少編です。
本当に可愛げのない子供でした。

可愛いお姫様の絵より
藁人形のお絵描きがすきでした。
こんな子供、私も身近に居たら嫌です。笑

➦第1話はこちら

汚いヒレと胡散臭い笑顔|はるのきんぎょ #note

幼少きんぎょが、大人になって
旦那様と出会うお話です。

➦きんぎょの自己紹介

初のきんぎょ|はるのきんぎょ #note

このnoteは何か思い出すと
書き加えたりします。
短編は、きんぎょの思春期~大人の階段編に
進んでいきます。
箸休めに闘病記も書こうかなと
思いついた所なので
そちらもお楽しみ頂けたら喜びます。(°∀°ミэ)Э

ε( ε^o^)э頂いたサポートはちょっと良い餌と、金魚鉢の維持費に遣わせて頂きます。