𝙷𝚊𝚛𝚞𝚔𝚒

うた

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最近の短歌十六選

気づいたらどうやら僕はロックよりカントリーフォークで息をしている 貴方はいる歌う歌の中に描いた絵の中に語る言葉の中に胸の中に 捨て去った概念的なくちびるは君がどこかに居ると知ってた 不滅にてゆっくり溺れてゆく日々の朝ごはんを二人で食す 吹き出しのついたセリフみたいにさ行ってきますを言うよ春から ハッピバースデー ホールケーキを切り分けて自由になった僕たちの生 他愛ない思い出の中に光る君 紅いソーダは声の変わる日 一本ずつ虎の縞々を剥がしてゆく初めて上がる君の部屋

最近の短歌十六選

    身体を思い出す未明

    投げかける 中心は一つだったか?言いたいことばばかりだったさ 一抹の不安となって消えて行く 歩く速さの風を受ければ ひかりとは生まれることだと俺は思う 胸が傷つきやみが潜むけど 傷むけど今更なんで俺も訊く 大地はお前に何か言ったか? 大脳の端っこに住む僕のこと君は奥深くから視てる 隠れたいゆけるとこなどもうないしでもねご飯を買いにいかなきゃ 寒くても洗濯物は乾く日でどこに向かうかも決め切らぬまま 雨の中を走る気持ちはめちゃ熱いって本当ですか ねぇトーマス 暮明

    身体を思い出す未明

    見映えのするレモン色ゆえ

    日向での過ごし方を知る都度に寿命に付いた染みが確かに その胸の左側に潜んでる三日目の月をそっと抱き寄せ ノイズなく澄み切った空は隠しごとをさせてくれない何処にゆこうか  別れ際の雨には色がついている目を閉じたまま母が呟く 真向かいの貴方が通りすぎた風と少し過去になった私と 泥色の虹を見ている午前三時君の指先も溶けて来ている 切り札の君を残して終わる世に死に戻ったら檸檬紅茶を 1ドット 光をくれよ手のひらにちゃんと重さを感じるカタチで 羊飼い・なるにはとググる土

    見映えのするレモン色ゆえ

    はじめて言うけど昔から

    傷むけど今更なんで俺も訊く 大地はお前に何か言ったか? 投げかける中心は一つだったか?言いたいことばばかりだったさ ひかりとは生まれることだと俺は思う 胸が傷つきやみが潜むけど 一抹の不安となって消えて行く 歩く速さの風を受ければ

    はじめて言うけど昔から

    今朝の夢

    神社と神社の婚姻の夢を見た。 神様同士の結婚。 強ければいいんだろ?って感じの龍神と、知的な神の結婚。二柱は一つになり、キングギドラみたいな八本首の輝く金色の龍になった。このような婚姻が更に二回起こり、東西南北が統一された。 世界は白かった。

    短歌九首 水と光の週末

    透明に一番近い色はなに?微笑む君と答え合わせを 透明も深みを知れば闇色で わたしはここよ深海の星 赤だけは血液の方が光より美しいって君は泣いてる 天国の色をつけたの?パリは夜 あなたに必要だったのは友 パラダイスandランチでピクニック 六畳一間で白昼夢を駆る 素直さは色でも形でもなくてただ春雨の中を走った 愛の深い生きものだった僕らまだ 別れ間際もおどけて見せて 禁断の果実の芯を眺めてるエンドロールは灰色の星 レーテーの水が売ってるコンビニでやんごとなき毎日

    短歌九首 水と光の週末

    短歌三首 青と哀しみ

    暗闇にこぼれた涙は日鱗の光を見ない君であるから 哀しみはどうして青い?という台詞 光で隠すような顔です 恥ずかしいほど透明だ空っぽの心で眠る青い水槽

    短歌三首 青と哀しみ

    悲しみは正義

    ”悲しみは正義” 人前で顔を歪めて歌えれば日曜の朝の悲しみは正義  揺れる声 雨の中に溜まってくいつかの海に君は成るんだ 悲しみは流れるものと思ってた花よ笑ってさよならしよう 降りしきる声が著す鼓動には君の秘めてる日記が読める #tanka

    思い出の中の貴方に似て

    止まった時の記憶が、心の部位を凍らせていて、大人になるのを阻んでいる。歪に成長してしまった胸中は、そんな未熟な自分を足手まといと感じ攻撃してしまうのだけど、実はその未熟な部分が自分の純粋さを保っている、清潔な部分なのだと思う。 子ども心に、好きだった人が亡くなったことがあり、その時から、自分が生きていていいのかどうかが分からなくなった。自分を好いていてくれた人が亡くなった時もあり、それ以降、迷いはさらに深くなった。この二か所で受けたショックを成長していないことの免罪符にして、

    思い出の中の貴方に似て

    十音の灰(一~六話)

    十音の灰                          つばきあろ(著) 貝殻に、君の名前を書いて、流したら、寄せては引いてゆく波間には、君を呼ぶ声がずっとこだましていた。降り積もった落ち葉を割って歩くみたいにさ。  波間に声を数えれば、永遠に生きた君の鼓動もきっと安まるだろうって、僕はそう思ったよ。 海凪鳥の群れが鈴の音を薄めたような微かな声で鳴けば、数日の間に海は静まる。海荒町の労働者の耳の良いのは、穏やかな海が暮らしの希望となるからか?いや、凪いだ海には絶対に

    十音の灰(一~六話)

    生まれの名残り

    愛のある家庭に生まれた人を羨んで、真似をした。あの時はこんな気持ちになれば良いのか、この時はこんなふうに笑えば良いのか。そしたら僕は大事にされるのか。心を弄って感情を操作した。表情を繕って心を支配した。 君が去った夜、僕は自分の醜い正体を知って泣いた。泣き続けて灰色の土地に来た。 灰色の土地には、一輪ずつの、色のついた花が咲いていた。水色と、黄色と、赤の花で、信号みたいだった。 僕の心が青だったので、僕は笑ってくれる黄色よりも、抱きしめてくれる赤を選んだ。選んだ後で、赤は危険

    生まれの名残り