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思い出の中の貴方に似て

止まった時の記憶が、心の部位を凍らせていて、大人になるのを阻んでいる。歪に成長してしまった胸中は、そんな未熟な自分を足手まといと感じ攻撃してしまうのだけど、実はその未熟な部分が自分の純粋さを保っている、清潔な部分なのだと思う。
子ども心に、好きだった人が亡くなったことがあり、その時から、自分が生きていていいのかどうかが分からなくなった。自分を好いていてくれた人が亡くなった時もあり、それ以降、迷いはさらに深くなった。この二か所で受けたショックを成長していないことの免罪符にして、今も迷っていることを恥ずかしく思う。だけど本当は、忘れていないことを、今も大事に思っていることを大切にして、守っていることを誇りにすべきなのだろう。簡単に成長できるものではないが、そんな風に自己を認めることで、植物の様に、季節が過ぎれば大きくなっているような気がする。

思い出の中の貴方に似た、誰かを探して今日も生きている。

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