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最近の短歌十六選

気づいたらどうやら僕はロックよりカントリーフォークで息をしている

貴方はいる歌う歌の中に描いた絵の中に語る言葉の中に胸の中に

捨て去った概念的なくちびるは君がどこかに居ると知ってた

不滅にてゆっくり溺れてゆく日々の朝ごはんを二人で食す

吹き出しのついたセリフみたいにさ行ってきますを言うよ春から

ハッピバースデー ホールケーキを切り分けて自由になった僕たちの生

他愛ない思い出の中に光る君 紅いソーダは声の変わる日

一本ずつ虎の縞々を剥がしてゆく初めて上がる君の部屋で

理性的な愛を伝えた朝紫の咲く樹のうろに溜まる天露

この身体 いじわるなウソに慣れ過ぎた 零れた水は拭かなくていい

みんなから遅れる人の来た道に誰とも重ならない足跡

雨が降りどんな色にもやさしさがあるってことを思い出す君

トビウオが描くカーブで飛んだ夜の凪いだプールは君が去る夏

透明でも濁っても無いよ ただ君のいない春には慣れてしまった

光量が多すぎるんだ 手に取れないしあわせを見るダークモードで

人の猜 猫の諦め 犬の孤独 智慧の竜が持つ感情もあ

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