青い春

蒸し暑い教室。散らかった机の上には気の抜けた炭酸。汗ばむシャツが肌に張り付いてもどかしい。白紙の宿題に迫るタイムリミット。同じく忙しないアイツを見て少しホッとする。腕を枕にうたた寝。筆箱は少し硬い。先生の昔話。最早子守唄。

僅かな休み時間。急ぎ足で購買へ。
菓子パンにハッシュドポテト。できたては熱い。校舎裏自販機。コーラは売り切れ。遅刻魔のアイツ。ゆうゆうと大あくび。下駄箱で予令。慌ててダッシュ。かかとを踏んだ上履き。階段は一段飛ばし。滑り込み着席。上がりきった息。余裕はないけど妙に笑えた。

昼下りの校庭。ボールに集る男子。
窓辺に集る女子。時折交じる歓声。
澄ました顔のアイツ。冷静を保つ僕。
気にしてないつもり。誰もが気にしてる。昼下りの教室。下らない話。走り回るバカ。注ぐ冷たい視線、横向きのスマホ。はたまた参考書。木漏れ日の中庭。寄り添う二人。

気になるあの娘。重なった視線。
それだけで増える。淡い妄想
その手の感触。なびく髪の香り。
想像してる。首を横に振る。
拙い会話。頭は真白。
誰かの会話。あの子に彼氏が出来たって
変わらぬ日常。変わった事情。
帰りの電車の夕景。 やけに眩しい。

チャリでニケツ。地元フードコート。飽きたらゲーセン。コインゲーム。
たまに映画。安い食べ放題
過ぎた門限。浮かぶ母の顔。
夜の通学路。オレンジの街頭。
帰りの改札。明日に億劫。

そんな最悪な日々。それは最高でもあった日々。嫌嫌学校に向かうこと。下らない話で大笑いしたこと。そんな下らない会話の下らないきっかけで喧嘩したこと。大人の壁に立ち向かったこと。それに屈したこと。これからの未来に怖気づいて声が出なかったこと。遅帰りの夜空。空白の志望動機。そんな最低で最悪だった青い日々。青春なんてどこにあるんだと吐き捨てたそれぞれの日々。それが青春の正体だったと気付いた時にはもう遅い。そんなどうしようもない僕らの日々

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