9階に住む幸運と非日常
最近ひそかに続けていることがある。
マンションの階段のぼり運動。地味だけれどこれがなかなかいいのである。
いろんな意味でちょうどよい。
そもそも私が住んでいるのは9階。
普段、家族といるときや荷物の多い時、急いでいる時はもちろんエレベーターを使うのだけれど、一人で帰宅するときにあえて、階段を使ってみる。
案の定、ほとんど運動してない自分にとっては、かなりしんどい。
4階くらいまではまだスムーズに上れるのだけど、5階から徐々に息があがり、6階、7階となるとうっすら汗をかいてくる。あと2階、あと1階と心の中でカウントダウンしながら、もう無理ー!となるところで、我が家のある9階に到達する。この「9」階というぎりぎりたどり着けそうなところなのが、自分にとってちょうどよいのだ。
これが10階以上だったら無理だと思う。例えばうちは18階建てのマンションだけど、18階まで上ってみようとは到底思わない。9階だから、ちょっとがんばってみようかと思えるし、ぎりぎり日課にしてみようかと思えるレベル。反対に、4、5階だったら楽ではあるけれど、がんばった感があまり感じられない。要は、9階の負荷レベルが絶妙なのだ。
最近、ミーニングノート(1日3個、今日のできごとを振り返ってチャンスをみつける)というのをやってみているのだけれど、これって私が9階に住んでたからこそできることじゃない?この絶妙な高さに住んでいる幸運。なんとなく中途半端だし、もっと上の階だったら眺めもよかったのにと思っていたけれど、私が住んでいる場所には意味があったのだ。9階ってすばらしいじゃないか!笑。という謎の高揚感。
それから、内階段の密室感もいい。
うちのマンションでふつう、階段を使って上がる人はいない。避難訓練の時くらい。つまり階段で人に会うことはないから、どんなヘロヘロな格好してハアハア息が上がっても気にせずいられるのだ。お隣さんに見られることも挨拶することもないわけである。誰も使う人がいないとはいえ、内階段で、ちゃんといつも明かりがついているし、雨風も寒さも関係ない。
1階のエレベーターのわきにひっそりと非常階段の扉があって、なんとなく恥ずかしいから人に見られないようにこそっと入る時の犯罪者感?けして悪いことはしてませんよ、階段上るだけなんだけれどなんかドキドキ。誰にも見られずに9階のエレベーターホールに踊り出る時には完全犯罪でも達成した気分になる。よし、私は監視カメラに写っていない。
このような、ちょっとした非日常のスリルを味わうことができるのも、非常階段運動なのです。もしマンションの8階-9階にお住まいの方がいたらぜひ笑。
なんといっても、エレベーターがあるのにあえて使わない、このムダ!この余裕!なんとなくアホっぽいけど、誰にも知られない努力をしている感がたまらない。
というわけで、この地味な活動は続きそうです。
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