宮崎に行った話

九月の三日から四日と、一泊二日で宮崎旅行をしてきた。なぜ宮崎なのかといえば、祖母と兄のいる鹿児島から私と父母を含めた5人で旅行をしようということになり、祖母は九十歳の高齢なので近場の宮崎で。ということになったのだ。とは言え優柔不断な人間しかいない我が家なので近場ということが決まった後も肝心の旅行先はうまく決まらず、結局父の「綾で酒を買いたい」という一言で宮崎旅行となった。ちなみに、前日に祖母の疲れが溜まっているということを考慮して結局四人での旅行となったのでここからの文章には祖母は出てこない。

さて、行きから帰りまで車の運転は兄が全て務めてくれた。本当に優しい兄である。そんな優しい兄の運転で綾に向かう途中で都城にある「道の駅 都城NiQLL」があったためそこで昼食をとった。私は宮崎牛100%が売りのハンバーグを食べ、兄が卵でとじてあるチキン南蛮、父母はミニチキン南蛮もついてくる冷や汁定食を食べた。これを書きながら私だけ名物を頼まなかったことに気付いたが、ハンバーグはとても美味しかったのに加えて母のチキン南蛮と冷や汁を一口ずつもらえたのでよしである。ハンバーグも付いてきたご飯も味噌汁も美味しかった。みんなで各々が頼んだご飯を美味しい美味しいと言いながら食べていて、素晴らしい宮崎旅行の幕開けとなった。

腹も満たし、ついでに道の駅にあったジェラート屋さんでジェラートを購入し甘すぎない甘味と冷たさを摂取したところで今回の旅の主目的でもある綾町へ。酒泉の杜という施設に行ったのだが、日曜日であったのも関係してかモノを造っているような場所は稼働しておらず、実際にお酒やガラス細工などを造るところを見ることは叶わなかった。しかし売店は営業していたため父は焼酎の量り売りや限定品を購入。私も金柑のリキュールを購入し、ついでにチーズ饅頭というものも購入。満足して車へ戻った。ちなみにチーズ饅頭は饅頭というよりクッキー的な生地で中に入っているチーズ味のクリームも想像より多めに入っていて饅頭が得意ではない私も美味しく食べることができた。

旅の目的を果たし、ホテルへ。「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」という少しお高めのホテルだったため期待して行ったが、その期待を上回る部屋であった。広い空間にもう一つ部屋があり、洗面台は二つ、トイレも二つ。シャワールームと湯船が分かれている。お金持ちでは決してない我々家族はほとんど泊まったことのない豪華さ。それに加えオーシャンビュー。四人全員大興奮で部屋を探検して回った。夕食はこれまた少しお高めのブッフェだったのだが、寿司はあるわホタテはあるわロブスターはあるわで海鮮祭り。冷や汁やチキン南蛮にデザートもたくさんあり、まさに夢のよう。どのメニューを食べてもとても美味しく、いつもは控えているコーラもせっかくなので飲み、欲望のまま口に入れて行っても満腹感はおろか吐き気もない。満足はしていないもののかなり食べたので〆の白米と味噌汁を食べると異変が。味はするのに美味しくない。なぜなのかはわからないながら全て完食し部屋に帰ろうと立ち上がったところでしっかり吐き気に襲われ、なるほど満足していたから脳みそが美味しいと感じさせなかったのだなと納得。満腹感がこない己の体を恨みつつ、「まあ、そのおかげで美味しいものをいっぱい食べることができたし」と呑気に考えながら部屋へ戻ると疲れが一気に襲ってきて限界を感じたため部屋の風呂へ。湯船は寝転ぶことができるタイプの湯船で、そこに寝転びながらぼーっと一日を振り返るというとても良い時間を過ごすことができた。その後は見たかったサッカーの試合をパソコンで観戦し、歯磨きして気持ちよく眠った。

次の朝、朝食ブッフェがあるため母に叩き起こされた。半分寝ぼけた状態で朝の準備をして朝食へ。朝食ブッフェの目玉はおにぎり。具は宮崎牛のしぐれ煮と鮭の西京焼きの二つから選べたが、私は鮭の西京焼きを選んだ。しぐれ煮は少し苦手だ。偏食はこういう時に少し困る。鮭の西京焼きおにぎりは想像より少し酸味があったが、それでもやはり美味しかった。そのほかにオムレツもあり、私はチーズを入れてもらった。これもまた美味しく、本当に食に恵まれた旅だったように思う。

朝食が終わり少しダラダラと時間を過ごしてホテルを出た。この日は父が行きたいと言った宮崎神宮と皇宮神社へ。父は優柔不断だが行きたいところを提案してくれるのがありがたい。どちらも木に囲まれていて空気が澄んでいたように感じた。宮崎神宮ではおみくじで吉を引いた。おみくじにはステッカーがついていて、携帯しておくと良いと書いてあったので財布にでも入れておくことにする。皇宮神社は階段が石でできていて登るのも降りるのも少し怖かったが、なんというか、整備されていない感じが神社に詳しくない筆者には一種の「神社っぽさ」を感じたため良しとしたい。アトラクションのようなスリルも感じたので一石二鳥である。

旅の最後に向かったのは霧島酒造。これまた父のリクエストである。父が酒を選ぶ間に私は「キャラいも」というブロック型のキャラメル版芋けんぴと黒、赤、白の各霧島のデザインが描かれたステッカー、日向夏のフルーツビール、今すぐ食べるためのジェラートを購入。前日もそうだがミルクジェラートがくどくない甘さで非常に美味しかった。私がジェラートを味わっている間に家族はパンを購入。これにて目的を全て果たし、宮崎旅行は終了した。

基本的に食がメインの旅だった。そして、その食での満足感は非常に高いものだったため、旅自体の満足感も非常に高かった。個人的には兄と久しぶりに旅することができ、二日間一緒に過ごせたことは本当に素晴らしいことであったし、その時間は非常に充実していた。また旅行しようと皆で話した。そのために帰ってきた瞬間から次はどこに行こうかと考えていたことがこの旅を表しているように思う。

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