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157.『竜とそばかすの姫』を観て爆発しそうな感想と感情と解説をまとめてみた(途中からネタバレあり)

※ネタバレありの部分は後ほど明記します。
しばらくはネタバレなしで書いていきます。

久々に映画館に行きましたが、超体験をして参りました。

『竜とそばかすの姫』。

『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』など名作アニメーション映画監督、細田守氏の最新作です。

前作『未来のミライ』とはまたがらっとテイストを変え、まるでサマーウォーズで出てきた「OZ」のようなバーチャル世界「U」での出来事と、現実世界での出来事が交錯する物語。

作品の説明と、僕なりの見どころだったポイントを、思い溢れて書いてみました。

あらゆる才能が集結した作品

既視感を覚えたことが、劇中で何度かありました。

なんの既視感だろう、と思っていましたが、キャラクターデザインを担当されている方を見て合点がいきました。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで数多くのキャラクターデザインを手がけてきたJin Kim氏。
名作『美女と野獣』のオマージュとも思える場面も、主人公ベルと竜の姿を重ねて描写しているのかいくつか見られました。

どうやらその既視感のようでした。
今までの細田守監督作品の表現とちょっと違った感じ。

名作のオマージュと、素晴らしいクリエイターから創られたものだったからなのでしょう。

声優もまた、興味深い配役でした。

主人公すず/ベル役は、シンガーソングライターの中村佳穂さん。
なんと、本作が声優初挑戦だったそうです。

歌のうまさには驚愕しました。

また、主人公を支える親友のヒロちゃん役として、「YOASOBI」のボーカル・ikuraとしても知られている幾田りらさんも出演されています。なんと豪華な。

その他の声優さんも、非常に豪華メンバーとなっています。

作成段階で、期待の大きさが窺えるほどの方々でしたね。

このように、挙げればまだまだキリがないほど、この作品に様々な才能が集結して創られていることがわかります。

さて、ここからネタバレありです。
あとめっちゃ所感だらけです。

ぜひ、観賞後に読んでみてください。

※※※

入りから驚きの歌声

最初のシーンは、歌から入りました。

その瞬間、僕が思ったのは「誰だ、この声は?」でした。

声優さんでもなく、聴いたことのないノビのある、澄んでいる、そんな声色が広がります。

この導入部分が圧巻でした。

Uの世界はこんな彩りだと。
こんな構図だと。
こんな世界観だと。

あとはベルの姿と、恐ろしく澄み切った声、アップテンポな歌。

一瞬で世界線に入り込む、巧妙な導入シーンだったと思います。

痛みがわかるからこその、想い

すずちゃんの中では、お母さんという存在が計り知れないほど大きかったようです。

それがあの事故の際に、どうして名前も知らない子を助けに行ったのか。

そのときに残された側の想いを、誰よりも強く知っているから。
誰よりも強く体感しているところだったか。

最後はすずちゃんがその何なのかわからないエネルギーに推し進められて、衝動的に東京まで行ってしまったのでしょう。

道中に、増水した川のシーンが流れて、僕もそこで想いが合わさりました。

今、すずちゃんはお母さんと同じことをしているんだと。

同じように思ってきたからこそ、同じように思って、行動しているんだと。

お母さんのようになれてよかったね、と思った印象的なシーンでした。

結構珍しいと思った人間関係図

さて、幼い頃に亡くなった母親に代わって、幼馴染のしのぶくんが母親ポジションとしてすずちゃんの側にい続けています。

学校でもとても人気な彼も、ずっと気にしている。

何もないのに「何かあった?」「大丈夫?」と声をかけるなんて、お母さんみたいだね、と。

幼馴染というのはだいたい、創作物語では好きとかそういった感情になることが多いのに、しのぶくんのポジションは珍しいなと感じました。
(内心は、どうかわかりませんが。)

見守っていたけど、これで普通に付き合える。

そう最後の方のシーンで呟いた彼もまた、すずちゃんの変化によって解放された人の一人なのかもしれません。

軽々しくどちらかが告白したりせずに終わったことや、竜(ケイくん)とおでこをくっつけたところでは、そのままキスをすることにもならず、関係の深さの描写が安っぽくならなかったので、それもよかったと思いました。

会いたかったとは言い合っても、大好きだよ、と言ったのは、ケイくんからだけでした。

特別な関係を、うまく描いていたように思います。

お手本のように綺麗な最後の始まり

「いくよ」

歌い出す瞬間に、タイトルロゴ。歌声。

この最後の締めも、まあ余白を残した終わり方でキレイだったと思います。

それこそ、お手本すぎて賛否分かれるかもしれませんが、僕は好きです。

物語は終わっても、これは再スタートの瞬間だったのです。

これは、すずちゃんにとっては終わりではなく、まさに始まりのシーンなのですから。

総じて、僕は非常に楽しめました。

お決まりのような展開から、ちょっぴり強引に言わせたようなセリフであったり、そりゃ突けばいろいろ出てくると思いますが、そんなのは万物何でも同じことで。

批判的に観るよりかは、よっぽど幸せな解釈をしたいな、と思っての上記でした。

影響受けて、サントラよく流しています。

いろんな見解、解釈、感想があると思います。

ぜひ、教えてください。

僕も表現者の一人として、創作とその反響には真摯に触れ続けます。

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