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129.物語の創り方(再現性はありません)

小説書いてます、とか言ってると、よく物語思いつくね、と言われます。

どうやって書いてるの?考えてるの?と聞かれることもあります。

今日はそんな僕流の物語の創り方を大公開!

再現性は、ありません。

①書きたいシーンがふと降りてくる

言ったばかりでしょう?
再現性は皆無だと。

降りてくるというか、ふと思いつく。
頭の中に、アニメの名シーンばりの鮮明さで、とある一場面がふと脳裏に浮かぶ。

風に揺れる髪なのか、憂いを帯びた表情なのか、暑い夏とどこまでも広がる青い空、聞こえる蝉の音、風、匂い……。

ふと、夏を感じたとき。懐かしい記憶が思い出されたとき。雨の予感、感動する言葉。

あらゆるところから、何の前触れもなく、急に想起されてくるのです。
理想のシーンや妄想の一ページが、やたらと格好良く頭の中に出現します。

こんな格好いいこと言ってみたいな。
こんな光景見られるかな。
それだけで一つのシーンのできあがりです。

まあつまり、アンテナ次第。
ずっと考えていると、何だかわからないけどそういった「降りてくる」という感覚がわかったりします。

②辻褄を合わせる

そして、それらのばらけた書きたいシーンを、なんとなく順番に配置して、そのシーン間の話を考えます。
こんな展開なら、自然に次の書きたいシーンにつながるかな、みたいな。

そうやって辻褄を合わせながら、思い浮かんだシーンを結びつけていきます。

キャラが勝手に動き出すこともあるんですが。
(よく聞く話だと思うんですが、ほんとに情が乗るとキャラが動き出しちゃいます。その度、辻褄合わせるの大変なんだよ、と子どものイタズラを見ているような気分になります。嘘です。めちゃくちゃ厄介です。)

章立てして、大きな話の構成を立てる。
一章の中に、またいくつか流れをつくる。

そうやって、僕は物語に流れを創っています。

③これだけは外せない言葉(台詞)だという想いがあるか

この台詞だけは必ずあのめちゃくちゃいい場面で出そうとか、この言葉だけは必ずここで使おうとか、その信念みたいな想いがあるかどうかも、広げた物語を収束させていくのに大切だと思います。

結局、物語をその言葉に収束するように彩られていくイメージで進めることも多いです。

たった一言かもしれない。
なんでもない一文なのかもしれない。

でも、とても大切な言葉なら、大切な表現なら、かけがえのない想いを含んでいるのなら。

ただひたすらにそこへ向けて、それだけで物語は真っ直ぐに走っていきます。

拙著『小夏のブルペン』でも、この一文、というのがあります。

友人で一人だけ、その一文を言い当てられたことがあります。
びっくりしました。仮にも文庫本並みの量ですよ?

小夏の台詞です。終盤に出ます。
わかる人がいたら、ほんとにすごいし、嬉しい。

それまでのストーリーがあったからこそ、その一文は大きな意味を持ちます。
言葉以上の想いや、エネルギーを纏うようになります。

そういう言葉の輝きを、物語によって増すことができる。

それが表現の面白さです、よね。

もっとも、今は新作を書いてはいませんが。
(アイデアは先述①の通り頭の中には浮かんでます。)

経験したことしか伝えられない。

それが僕の物語でメッセージを込めるときの信条です。

まず、僕がたくさんの人の心を動かすに値する人間になります。

④創作は面白い

全ての人が創作者だと、人類皆クリエイターだと、そんな風に思ってます。

なぜ、人の感性は人それぞれなのか?

全ての人が、クリエイトするだけの素質を秘めているからだと思ってます。

オリジナリティ、と言えばわかりやすいでしょうか。

あなただけの物語を。
あなただけの感性で。
あなたが思うように。

この世界にばら撒くことができるのです。

そんな土台を創りたい。

創作者が自由に創作できるような。
誰かその人だけのものを、別の誰かが創作できるような。

そういう世界を創りたい。

そのためにやるべきことは、あれもこれも経験したり、時にはやりたいことよりやるべきことをやったり、思い切ってチャレンジしたり、自分を変える努力をしたり、仲間と切磋琢磨したり、きっとそんなことなのです。

自由を求めるから、一時的な不自由を選択するのです。

そんな挑戦も、面白い。

「人生ネタづくりだよ」

そう学んできました。

人生ネタづくり。
創作の連続。

創作は面白い。

ぜひ、たくさんの同志と共に。

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