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第六幕・第6話:夏休みも大変!? 音響スタッフで出陣! ミュージカル研究会の頃-汗と涙の青春ストーリー-

実際、帰省していたメンバーをのぞき、夏公演にかかわっていなかったのは、少数派だった。
ともかく、僕らはしぶしぶとそのユニットに参加したのだ。
坂上さんは春で引退していたが、自主公演は時間の融通も利くのでやることになっていた。

その坂上さんが主演・脚本・演出の自主公演はかなりこじんまりとしたメンバーで、ミュー研の雰囲気とは全く違っていた。
新人では演技と歌に定評のあるかわいらしい優有ぐらいしか参加していなかった。あとは、中人の松田さん、その彼女の夕実さんも参加してた。
加えて、作曲だけでミュージカル研究会に関わっていたケロさんも、ゲスト出演していた。

ユニークで独特のケロさんは、正直、三拍子そろっていない、数少ない先輩だった。
過去はわからないし、新人の時に舞台に出ていた写真はみたことがある。
しかし、おそらくすぐにやめたのであろう。僕の代の時には、よくわらかないけれど、とにかくミュー研に最も頻繁に顔を出すOBだった(通し稽古は必ず来ていたし、練習の時もよく顔を出していた)。
また、落ちこぼれの気持ちがよくわかるのだろう、僕や岩尾にやたらに声をかけてくれるのだ。

ケロさんは坂上さんにとっては音楽における相棒のような人だった。
だから、坂上さん的にも一度くらいケロさんを舞台にあげたかったのかもしれない。
ケロさんは最初に登場し、かなり独特の遅い間で、”げがわらしい!”みたいな、強烈な一言を言って去る役だった。
ひょっとしたら身内ネタのような感じになっていたかもしれない。かなり笑いが起きていたのは確かだ(僕も毎回その登場を楽しみに見ていた)。

つづく…(全文・早く見たい方はハルカナル屋根裏部屋にアクセスください!)

第一幕:未知なる舞台へ!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/第一幕:未知なる舞台へ!

第二幕:衝撃! 初役はみんなが大嫌いなあれ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act2

第三幕:最初の公演
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act3

第四幕:夏の発表会
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act4

第五幕:脚本会議、夏の陣
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act5

第六幕:夏休みも大変!? 音響スタッフで出陣!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act6

第七幕:夏合宿
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act7

第八幕:猫たちが大騒ぎ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act8

ここまでの登場人物

-新人-
僕:元帰宅部。歌、ダンス、芝居、3拍子そろわない珍しい新人。しかも、入部したのが2年生の時だったため、振り返るとかなり浮いた存在だった。
岩尾…親友。2浪しているフリーターながら、ミュージカル研究会に入る。

-中人(2年生)-
美也子さん:容姿は少しボーイッシュで、性格は物静かで控えめ。宮沢賢治を愛しており、彼女が生み出す脚本は、独特で素晴らしい世界観だった。
江夏さん:新人の時はぺけをつけられていた僕や岩尾とかなり距離があり、あまり話す機会はなかった。坂上さんとおなじ愛知出身で、師匠と弟子のような間柄だった。普段はちゃらんぽらん、三枚目だが、ミュー研への思い入れが人一倍強く、男子では歌、ダンス、芝居が一番うまかった。とても個性があり、 後に百萬男 – フジテレビに出演した。
時子さん: 歌・ダンス・芝居、すべてのレベルがトップクラスの先輩だが、怒ると鬼より怖く、男子全員に恐れられていた。
松田さん:初対面の時に「俺、次の舞台で主役とっちゃうよ!」と言ってのけた自信家。実際は繊細で神経質な一面もある。一方でできの悪い後輩を気にかけ、面倒見の良い一面もあった。
夕実さん:松田さんの彼女。小柄でかわいらしく、親切な先輩。

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