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第八幕:猫たちが大騒ぎ!?9 ミュージカル研究会の頃-汗と涙の青春ストーリー-

しかし、本当にとりたい写真があった主人公が社会の壁、現実にぶつかる会社時代が回想されたり、お腹をすかした主人公が、泣きながらネズミを食べるシーンがあったり、実はとても痛みがともなうシーンでもある。
ネズミ-猫-象と主人公は動物の世界をめぐるが、猫はつなぎのシーンとして、また主人公の痛みを現す場所として存在していた。

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その会社シーンの回想はこんな具合だ。
バーで騒いでいた猫たちが同僚や上司、先輩などに急がわかりだ。

”あいつかわった奴だよ”「何だこの写真は!(上司役の僕のセリフ)」
”新人カメラマン”「これコピーしといて」
”仕事は仕事””そこは割り切って””いつでも夢をおいかけている”
”条件にあった写真をとればいいんだ!”
”こっちがほしい写真をとればいんだ!”

こんな回想シーンをへて、主人公がなぜ、このように輪廻をしているのかが明かされる。
現実の社会と自分がとりたい写真のはざまで板挟みになり、苦しんだ主人公(江夏さん)はふらふらと高い建物にのぼった。
そして、意志だったのか、脚を踏み外したのかわからないが、上から落ちてしまい、意識不明の状態に陥ってしまったのだ。

主人公の彼女は精神科医だった。
なぜ、主人公の悩みをもっと聞いてあげなかったのか悔やみ、悩む。

そんな主人公の過去も明かされ、猫のシーンは終盤にさしかかる。
猫のバーは閉店、猫のマスターのお役は終了である。
あとは、そでから見守るのが僕のできる唯一のことだった。
猫の中人たちは最後のシーンをうたいあげると、辺りはとても暗くなる。
そして、猫たちにうながされ、腹をすかした主人公は泣きながら”ねずみ”を口にするのである。

ここで猫のシーンは終了だ。
再び謎の男が現れる。そして、いよいよ最後の象の世界に導くのだ。

つづく…(続きを早く見たい方は、ハルカナル屋根裏部屋にアクセス!)


第一幕:未知なる舞台へ!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/第一幕:未知なる舞台へ!

第二幕:衝撃! 初役はみんなが大嫌いなあれ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act2

第三幕:最初の公演
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act3

第四幕:夏の発表会
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act4

第五幕:脚本会議、夏の陣
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act5

第六幕:夏休みも大変!? 音響スタッフで出陣!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act6

第七幕:夏合宿
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act7

第八幕:猫たちが大騒ぎ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act8

第九幕:試練の秋
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act9

登場人物

-新人-
僕:元帰宅部。歌、ダンス、芝居、3拍子そろわない珍しい新人。しかも、入部したのが2年生の時だったため、振り返るとかなり浮いた存在だった。
岩尾…親友。2浪しているフリーターながら、ミュージカル研究会に入る。
鉄郎:某都内に通う高校時代、伝説となった男。野性的で、繊細で、躍動的で、とても頭がよく、次元の違う存在感を放っていた。どこを行くのも裸足で歩いていた。
優有(NEW):歌と芝居が大好きで他の女子大学からミュー研に通っている。穏やかで性格が良く、みんなから好かれており、脚本家の坂上さん、美也子さんらに気に入られ、たびたび彼らの作品に主役で出演することになる。
芽衣…大阪出身でのりやよく、ダンスが好きだった。若くして亡くなってしまい、この作品を書くきっかけになった存在の1人。

-中人(2年目)-
美也子さん:容姿は少しボーイッシュで、性格は物静かで控えめ。宮沢賢治を愛しており、彼女が生み出す脚本は、独特で素晴らしい世界観だった。
江夏さん:新人の時はぺけをつけられていた僕や岩尾とかなり距離があり、あまり話す機会はなかった。坂上さんとおなじ愛知出身で、師匠と弟子のような間柄だった。普段はちゃらんぽらん、三枚目だが、ミュー研への思い入れが人一倍強く、男子では歌、ダンス、芝居が一番うまかった。とても個性があり、 後に百萬男 – フジテレビに出演した。
時子さん: 歌・ダンス・芝居、すべてのレベルがトップクラスの先輩だが、怒ると鬼より怖く、男子全員に恐れられていた。
松田さん:初対面の時に「俺、次の舞台で主役とっちゃうよ!」と言ってのけた自信家。実際は繊細で神経質な一面もある。一方でできの悪い後輩を気にかけ、面倒見の良い一面もあった。
夕実さん:松田さんの彼女。小柄でかわいらしく、親切な先輩。

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