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第八幕:猫たちが大騒ぎ!?7 ミュージカル研究会の頃-汗と涙の青春ストーリー-

たびたびこの物語にも出ている優有は歌が大好きで、芝居も温かみがある子で、他大学組だった。
常に笑顔をたやさず、男性からの人気も高かったし、女性からも嫌われないような、みんなから可愛がられるタイプだった。
そんな彼女なので、先輩にもかわいがられ、ネズミのリーダーに抜てきされた。男の役だが、ボーイッシュな感じでとても合っていた。

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このネズミ組の役どころは、主人公が最初に輪廻で訪れる場所である(輪廻と表現しているが、これは正確ではなく、屋上から落ちた主人公が死線をさまよい、謎の男に案内されてネズミになっているというのが正確だ)。
ネズミたちは命がけで、ある場所から逃げようと話し合っている。
彼らは実験用のマウスだった。
ネズミたちらは”自由”を求めて、脱出を試みるのだ。
彼らは歌を歌った。

”太陽の光どんなものかしらない”
”うまれてからずっと同じ風景”
”小さな鏡の箱の中で考えた”
”本当の世界ってどんなものなんだろう!?”
”世界の声が呼ぶ自由になりたい”
”外へ!”
”こんなところで死にたくはない!”
”外へ!”
”そして本物の光と出会う。知りたい、自由を”

実験用のマウスである彼らはつかねずみは、このままでは人間に殺されてしまう運命にあるのだ。
主人公の江夏さんはあまりネズミたちとはなさず、傍観者的にそこにたたずむ(おそらく子供だった)。
やがて意を決してネズミたちは脱出を試みる。

しかし、研究者はそんなネズミを逃がすはずもなく、スリッパで地面を叩く。
すると、ネズミはびっくりして動けなくなる習性があり…脱出は失敗、子供の主人公だけは何とか彦一に助け出されたのだが…その他のネズミたちは、けむりにいぶされて苦しんで死んでしまうのだ。
主人公はそれをみて”やめろ、やめてくれ!”と叫ぶのである。

つづく…(続きを早く見たい方は、ハルカナル屋根裏部屋にアクセス!)

第一幕:未知なる舞台へ!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/第一幕:未知なる舞台へ!

第二幕:衝撃! 初役はみんなが大嫌いなあれ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act2

第三幕:最初の公演
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act3

第四幕:夏の発表会
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act4

第五幕:脚本会議、夏の陣
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act5

第六幕:夏休みも大変!? 音響スタッフで出陣!
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act6

第七幕:夏合宿
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act7

第八幕:猫たちが大騒ぎ!?
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act8

第九幕:試練の秋
https://rekishi-tanbo.com/musical-story/act9

登場人物

-新人-
僕:元帰宅部。歌、ダンス、芝居、3拍子そろわない珍しい新人。しかも、入部したのが2年生の時だったため、振り返るとかなり浮いた存在だった。
岩尾…親友。2浪しているフリーターながら、ミュージカル研究会に入る。
鉄郎:某都内に通う高校時代、伝説となった男。野性的で、繊細で、躍動的で、とても頭がよく、次元の違う存在感を放っていた。どこを行くのも裸足で歩いていた。
優有(NEW):歌と芝居が大好きで他の女子大学からミュー研に通っている。穏やかで性格が良く、みんなから好かれており、脚本家の坂上さん、美也子さんらに気に入られ、たびたび彼らの作品に主役で出演することになる。
芽衣…大阪出身でのりやよく、ダンスが好きだった。若くして亡くなってしまい、この作品を書くきっかけになった存在の1人。

-中人(2年目)-
美也子さん:容姿は少しボーイッシュで、性格は物静かで控えめ。宮沢賢治を愛しており、彼女が生み出す脚本は、独特で素晴らしい世界観だった。
江夏さん:新人の時はぺけをつけられていた僕や岩尾とかなり距離があり、あまり話す機会はなかった。坂上さんとおなじ愛知出身で、師匠と弟子のような間柄だった。普段はちゃらんぽらん、三枚目だが、ミュー研への思い入れが人一倍強く、男子では歌、ダンス、芝居が一番うまかった。とても個性があり、 後に百萬男 – フジテレビに出演した。
時子さん: 歌・ダンス・芝居、すべてのレベルがトップクラスの先輩だが、怒ると鬼より怖く、男子全員に恐れられていた。
松田さん:初対面の時に「俺、次の舞台で主役とっちゃうよ!」と言ってのけた自信家。実際は繊細で神経質な一面もある。一方でできの悪い後輩を気にかけ、面倒見の良い一面もあった。
夕実さん:松田さんの彼女。小柄でかわいらしく、親切な先輩。

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